東京新聞 2016年3月4日
東京電力福島第1原発事故をめぐり国会が設けた事故調査委員会で委員長を務めた黒川清・東京大名誉教授が4日、東京都内の日本記者クラブで会見し、「失敗から学ぶ姿勢が足りない。福島事故から教訓を学び、世界と共有しようというマインドがまだ欠けている」と述べ、事故後の政府や規制当局、電力会社の取り組みは不十分だと訴えた。
黒川氏は、国会による原子力規制の監視など事故調が提言した課題がほとんど実現していないと指摘。事故の根本原因である「異論を認めにくい組織文化」といった日本社会特有の問題も「ずっと続いている」と述べた。(共同)