東海再処理施設で、高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固化体にするガラス固化処理が、溶融炉から容器に流し込む際に金属製ノズルを加熱する高周波加熱装置が漏電したため、23日夜に中断しました。漏電個所の詳細は不明ということです。
高レベル放射性廃液約360立方メートルを約10年かけて570本のガラス固化体を作る予定で、この8日、約2年ぶりに再開したばかりでした。
容器に流し込むノズル部の詰まりなどのトラブルはこれまでも多発しています。
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東海再処理施設 ガラス固化を中断 「漏電を確認」
茨城新聞 2019年7月25日
日本原子力研究開発機構(原子力機構)は24日、東海村村松の東海再処理施設で、高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固化体にするガラス固化処理が、電気系統のトラブルで23日夜に中断したと発表した。「漏電を確認した」としているが、詳しい原因は調査中で再開は未定。ガラス固化処理は8日、約2年ぶりに再開したばかりだった。
ガラス固化処理は、約70年に及ぶ同施設の廃止措置計画で序盤のヤマ場と位置付けられている。しかし、これまで何度も中断を繰り返している。
原子力機構によると、23日午後9時53分ごろ、ガラス固化技術開発施設で、高レベル放射性廃液と高温で溶かしたガラスを混ぜた溶液を、溶融炉から容器に流し込む際、金属製ノズルを加熱する高周波加熱装置が自動停止。いったんは電気系統に異常がないことを確認し、24日午前7時37分ごろ、加熱を再開したが約3分後に再び自動停止した。点検の結果、漏電が確認されたが、漏電箇所は特定できていないという。
同施設では原発の使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出す作業が行われ、高レベル放射性廃液約360立方メートルを保管。約10年かけて570本の固化体を作る予定で、まず11月中旬までに50本の製造を予定していた。8日の再開後、重さ300キロのガラス固化体を2日に1本のペースで7本を製造した。(三次豪)