中東ホルムズ海峡でのタンカー攻撃の真犯人について、アメリカはいち早くイランと極めつけましたが、その理由は明確でなく、逆に過去における米国の様々なデッチアゲが指摘されている始末です。
それはともかく、そうした海域を経て延々とタンカーで運ばれる原油やLNGが安かろう筈はありません。
それに比べれば再生エネの原料自体は「タダ」なので、経済性で他の火力や原子力に負ける筈はありません。それだけでなく火力発電や原子力発電は、水を超加熱(加圧)蒸気に変えてタービンを回して発電するまでには、膨大な数のしかもビッグサイズの設備を必要とするとともに、それらを定期的にメンテナンスする必要があるので、設備費と維持管理費でも再生エネとは比較にならないコストが掛かります。
特に原発の場合には、それらの設備の一つ一つが錆びずに耐久性を持つことが要求され、維持管理も厳格さが要求されるので、低コストで収まる筈がありません。
原発がコスト的に絶対に再生エネに適わないのは余りにも明らかです。
東京新聞が独経済・エネルギー省次官にインタビューしました。
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<原発のない国へ>
再エネでエネルギー安保向上 独経済・エネルギー省次官に聞く
東京新聞 2019年6月30日
中東ホルムズ海峡でのタンカーへの攻撃では、原油価格が一時急騰し、化石燃料の輸入に依存する日本のエネルギー安全保障の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになった。ドイツ経済・エネルギー省のアンドレアス・ファイヒト次官(48)は原発ではなく再生可能エネルギーの拡大こそが「エネルギー安全保障の向上につながる」と指摘している。
ファイヒト氏は本紙のインタビューで、再エネが増えれば、その分、石油や石炭を燃料にした火力発電を抑えることができ、燃料輸入も減るため、「中東などで緊張が高まったとしても影響が小さくて済む」と強調。さらに再エネの価格については「世界ではどんどん安くなっている。原発や石炭火力など新規の大型発電所では価格の面でも太刀打ちできなくなってきている」と明言した。
とりわけ原子力については、「新設コストが今後は膨らむリスクが非常に高い。大規模ゆえの建設リスクと、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)は、どちらも現時点では解消できない」と述べた。
ドイツでは原発、脱石炭、再エネ推進などを含めた戦略を「エネルギー転換」と呼び、政権交代などの曲折を経ながらも推進してきた。現在の課題についてファイヒト氏は「費用対効果が高い形で再エネを増やすことが重要だ」と挙げ、送配電網を再エネに適応できるよう増強するためにも「送配電会社に増強に投資するインセンティブ(動機づけ)を与える必要がある」とした。
「エネルギー転換は同時に矛盾なく合理的に進めなければならない。短距離走ではなくマラソンだ」と話している。 (伊藤弘喜)
<アンドレアス・ファイヒト氏> 電力や水道など公共事業専門のコンサルティング会社社長などを歴任し、2019年2月より現職。経済・エネルギー省の次官3人のうちエネルギー政策を担当。長野県内で15、16両日に開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合に出席した。