2019年7月1日月曜日

柏崎市長が 東電ミス「重要視せず」との規制事務所長発言に抗議

柏崎市長「到底納得できない」 
東電ミス「重要視せず」規制事務所長の発言が波紋
新潟日報 2019年6月27日
 新潟・山形地震の発生後、東京電力が柏崎刈羽原発に「異常あり」と自治体などに誤って連絡した問題で、原子力規制庁の現地事務所長が「重要視はしていない」と発言したことについて、柏崎市の桜井雅浩市長は26日、原子力規制委員会に対し「到底納得できない」などとする文書を提出した。柏崎市議会も同日、東電に対して初の申し入れを行い、再発防止を求めた。地元がミスを重く受け止める中、原発関係者の危機意識に住民から疑問の声が出ている。
 
 柏崎刈羽原子力規制事務所の水野大所長は25日の会見で「15分程度で訂正したこともあり、重要視はしていない」などと述べた。
 
 発言を受け、桜井市長は規制委に要望書を送った。更田豊志委員長が19日の会見で、今回のミスを「それほど大きく見ていない」と述べたことに触れ、「非常に大きなリスクにつながり得る誤りだ。このような所見、態度は看過できない」と指摘。東電の改善策に規制委が関与し、指導するよう求めた
 市長は東電に対し、ミスの原因究明と抜本的な改善策の提出を求めている。一連の規制側の発言について、26日の取材に「受け入れがたい。われわれは正確に、かつ一刻も早く住民に伝えるのが責務だ」と述べた。
 
 柏崎市議会は26日、柏崎刈羽原発の設楽親所長を呼び、原因究明と再発防止を申し入れた。真貝維義議長は「議会として重く受け止めている。原発の誘致決議から50年、市議会が東電に申し入れをしたことはなかった。しっかり受け止めてほしい」と話した。水野所長の発言については言及しなかった。
 
 市民団体「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」で事務局を務める柏崎市の竹内英子さん(49)は「規制機関として問題ではないか。私たちの感覚とはかけ離れた発言だ」と水野所長の認識に疑問を投げかけた。同会は今回のミスを「住民の命を脅かす問題」として、7月2日に東電に申し入れをする予定。