放射能濃度、再測定へ 「指定廃棄物」処分問題
一時保管6市町に環境省
東京新聞 2019年7月3日
東京電力福島第一原発事故で発生した放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分問題で、環境省は2日、(栃木)県内の6市町の農家が一時保管する分の放射能濃度を今月から再測定し、来年3月をめどに結果をまとめて公表すると明らかにした。 (北浜修)
宇都宮市の県公館で開いた日光、大田原、矢板、那須塩原、那須、那珂川の六市町と県との会議で方針を示した。六市町と県は了承した。会議には副市町長らが出席した。
同省によると、再測定は県内で保管されている指定廃棄物一万三千トンのうち農家が計百四十五カ所で保管する二千九百九十トンを対象とする。
農家が保管する指定廃棄物は、農家の負担軽減策として、各市町ごとに暫定的に集約することが決まっている。一時保管が長期化していることから、各市町は暫定集約の前に、最新の状況を把握するために再測定するよう求めていた。同省も集約場所や保管方法の決定に必要だと判断して求めに応じた。
会議では、市町側から風評被害を招くことがないよう、結果の公表の仕方に配慮を求める声が上がった。
会議後、岡本誠司副知事は「再測定に国、県、市町の共通認識が図られた」、同省環境再生・資源循環局の森山誠二次長は「農家の負担軽減に向け、県や市町と協議し、きめ細かく進めていきたい」と述べた。
同省は指定廃棄物を各市町ごとに集約した後、塩谷町に最終処分場を建設して移す方針を堅持しているが、地元は強く反発しており、めどが立っていない。