東電は廃炉にする福島第2原発の敷地内に、使用済み核燃料を保管する貯蔵施設を新設する方向で最終調整に入りました。新設を検討している貯蔵施設は、燃料を金属容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」という方式で、近く内堀雅雄知事に打診し受諾されれば廃炉を正式に決めます。
第2原発には4基の原子炉があり、それぞれの原子炉建屋のプールに、使用済み燃料計9532体と新燃料計544体が貯蔵されています。
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第二原発に燃料貯蔵施設 東電が新設 廃炉で使用済み保管
福島民報 2019/07/23
東京電力は福島第二原発の敷地内に使用済み核燃料を保管するための貯蔵施設を新設する方向で最終調整に入った。福島第二原発の全1~4号機の廃炉作業に伴う使用済み核燃料の搬出先として活用する。実現すれば福島第二原発の廃炉に向けた初の具体的な動きとなる。
関係者によると、貯蔵施設は1~4号機の使用済み核燃料プール内に保管されている約一万体の核燃料全てを収容できる規模を見込んでいる。廃炉作業では原子炉建屋や核燃料の冷却施設などの解体に取り組むため、取り出した核燃料を安定的に保管できる施設が不可欠と判断した。
燃料を金属容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」という方式の導入を検討している。水を循環させて冷やし続けるプールより、安全性は比較的高いとされる。保管期間は少なくとも数十年と想定される。建設費や着工時期、最終的な搬出先などは現時点で決まっていない。
東電は近く、内堀雅雄知事に使用済み核燃料の敷地内保管方針を打診する。了解が得られれば今月末にも取締役会を開き、第二原発の廃炉を正式に決定する。
原発を廃炉にする場合、保管している使用済み核燃料の扱いが課題の一つとなる。東電には、日本原子力発電と共同出資した青森県むつ市の中間貯蔵施設(原子力規制委員会が審査中)がある。だが、この施設で保管する燃料は、最終的にはプルトニウムやウランを取り出し再利用することを前提としており、廃炉になる原発の核燃料搬入に地元の理解を得るのは難しいとみられる。
第二原発は二〇一一年三月の東日本大震災発生時は四基とも運転中だった。地震と津波により1、2、4号機は一時的に冷却機能を失ったが復旧し、過酷事故に至らず停止。現在は、第一原発廃炉作業の後方支援拠点となっている。
1~4号機の原子炉建屋のプール内には、使用済み核燃料計九千五百三十二体と新燃料計五百四十四体の合わせて一万七十六体が保管されている。