<南相馬> 9年ぶり ビーチに歓声 北泉海水浴場で海開き
河北新報 2019年07月21日
福島県南相馬市原町区の北泉海水浴場で20日、海開きが行われた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で見合わせてきたが、避難経路など安全性を確認し、福島第1原発30キロ圏内で初の再開となった。9年ぶりに子どもたちの歓声がビーチに戻った。
門馬和夫市長は「あすの復興に向かって夢をつなげる再開だ」とあいさつ。小学生のチアリーダーらが海開きを宣言した。
祖父と一緒に初めて海水浴に来た同市鹿島小3年大和田桃叶(ももか)さん(8)は「波の感じが不思議。思ったより冷たくない」と話し、妹とはしゃいだ。
堤防などの復興事業に携わる同市原町区の中島健さん(29)は、1歳の朝陽ちゃんを波打ち際で遊ばせながら「天候は曇りで残念だが、浜に明るさが戻ったのが何より」と語った。
20日にはジャパンプロサーフィンツアー大会が始まったほか、浜辺ではビーチバレーやステージイベントなどがあった。
北泉海水浴場は震災がれきを取り除き、新たな堤防や後背地に公園を整備。海水や空間の放射線量が安全なレベルだとして、再開を決めた。震災前の2010年は8万人以上が訪れた。