山口県は26日、中国電力が計画する上関原発の建設に必要な海の埋め立て免許の延長を許可しました。
中国電は08年10月に免許を取得し09年10月に着工しましたが、反対派住民の抗議活動で工事は進まず、11年の東京電力福島第1原発事故後に工事を中断しました。
山口県は16年8月、免許延長を許可し、原発本体の着工時期の見通しがつくまで工事をしないよう中国電に要請しました。免許は今年7月6日までで、中国電が6月、延長を申請していました。
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上関原発、山口県が埋め立て免許再延長許可 福島原発事故から中断
毎日新聞 2019年7月26日
中国電力(広島市)の上関原発(山口県上関(かみのせき)町)建設計画を巡り、山口県は26日、同社が申請していた予定地の公有水面埋め立て免許の再延長を許可した。村岡嗣政(つぐまさ)知事は許可理由について「新規制基準に対応するため海上ボーリング調査が必要だという説明には合理性がある」などと説明した。
再延長の期間は3年6カ月で、このうち半年間が断層評価に必要なボーリング調査の期間となる。期限は2023年1月6日まで。県は許可に当たり、原子炉など本体着工のめどがたつまで、中断している埋め立て工事を再開しないよう中国電に要請した。
埋め立て工事は09年10月に始まり、東京電力福島第1原発事故後から中断が続く。中国電は免許期限の12年10月に最初の延長を申請。県は16年に延長を許可したが、今月6日の期限切れを前にした今年6月、中国電が再延長を申請していた。
政府は原発の新増設について方針を示していないが、エネルギー基本計画では原発を「重要なベースロード電源」と位置付ける。老朽化した原発の廃炉も決まる中、許可書を受け取った中国電の平野正樹副社長は取材に「中長期的にみれば上関原発の必要性は以前よりも増している」と語った。【祝部幹雄、坂野日向子】