2018年3月18日日曜日

原発事故直後の南相馬・人口動態まとめる

 南相馬市立総合病院などに勤務する森田知宏医師らのグループが、震災と原発事故直後の南相馬市民の避難状況を論文にまとめ、「原発事故の避難に起因する健康被害が看過できないほど大きいことから、避難に伴う健康リスクと予想される放射線被ばくのバランスを考慮することが重要だ」と指摘しました。
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原発事故直後の南相馬・人口動態まとめる 森田医師ら論文発表
福島民友 2018年3月17日
 南相馬市立総合病院などに勤務する森田知宏医師らのグループが、震災と原発事故直後の南相馬市民の避難状況を論文にまとめた。事故後11日目(2011年3月22日)に市の人口は事故前の11%まで減少、若年層や未就学児のいる世帯で避難した傾向が大きかった一方、高齢者のいる世帯や1人暮らし世帯は避難せず市内にとどまる人が多かった。

 米科学誌プロスワンに発表した。森田氏らは、原発事故の避難に起因する健康被害が看過できないほど大きかったとする先行研究に言及し「今後、原子力災害後に避難指示を発令する際は、避難に伴う健康リスクと予想される放射線被ばくのバランスを考慮することが重要だ」と指摘した。

 研究では、市民を対象に行った内部被ばく検診のデータを使用。検診では避難した日程などを聞いており、このデータから市民全体の避難状況を推計した。
 この結果、当時市内に設定された避難区域(福島第1原発から20キロ圏内)の市民の99%が避難したほか、屋内退避区域(同20~30キロ圏内)と避難区域外(同30キロ以上離れた地域)の市民の87%が避難したと推計された。