福島第1原発事故 多くの人、福島知って 3・11直後の避難、回顧も
洛西中でボランティア語る /京都
毎日新聞 2018年3月1日
原発事故のあった福島の子供たちを支援する活動を続けているボランティア団体「ミンナソラノシタ」(略称・ミナソラ)のメンバーが28日、東日本大震災による避難体験やボランティア活動に込めた思いなどを京都市立洛西中(西京区)で講演した。1年生の道徳の授業の一環。3クラス約100人が熱心に聴き入った。【野口由紀】
ミナソラには避難者もおり、上田名菜子さん(31)=西京区=は福島県郡山市からの避難経験を語った。もともと結婚を機に京都に引っ越す予定だったが、震災直後に予定を前倒しした。「1人だけ逃げたという罪悪感でいっぱいだった」と振り返り、「多くの人に福島を知ってもらうことが復興につながる」と呼びかけた。
代表の林リエさん(39)は、室内遊び用の砂を幼稚園に寄贈したり、福島の親子を京都に招く「幼稚園留学」を実施したりしたことなど、これまでの活動を紹介。「福島応援はライフワーク」と語る林さんは会社員の仕事と両立しており、「ボランティアでしか出会えない人たちがいる。今後も活動を広げていきたい」と語りかけた。
洛西中は昨秋ミナソラの活動に協力し、福島の子供たちに送るドングリ拾いをした。その縁で今回ミナソラが授業で講演することになった。 〔京都版〕