トルコへの原発輸出は、13年に日本とトルコの政府が合意し、トルコ建国100周年を迎える23年に1号基の稼働を目指してきましたが、当初2兆円と想定した総事業費が5兆円超に増加しました。
これは福島原発の事故で、安全対策費が大幅にアップしたためで、トルコ側が計画を続行するかどうかを本格的に検討することになります。
これは、海外では、既設の原発はともかくとして新設の原発に関しては安全対策を厳重に徹底させている結果です。
日本が40年ライフの原発を、防液堤や配管補強対策などで良しとして、安易に60年に延長させていることとは好対照です。
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トルコ原発輸出、事業費倍増も 23年の稼働、後ずれ必至
時事通信 2018年3月15日
官民で進めている原発のトルコへの輸出計画の総事業費が、安全対策の強化などで当初想定していた2兆円の2倍以上に膨らむ可能性があることが、15日分かった。目標としていた2023年の稼働開始も困難な情勢。政府は成長戦略として進める原発輸出で、費用負担も含めた計画の見直しを迫られそうだ。
トルコは黒海沿岸のシノップに原発4基を建設する計画。三菱重工業をはじめとする日仏企業連合による受注が13年に事実上確定していた。
具体的には、三菱重工と仏アレバが共同開発した中型加圧水型原子炉(PWR)「アトメア1」を建設する予定。三菱重工が3月末の終了を目指して事業化調査(FS)を進めてきたが、総事業費の大幅な増加が避けられず、費用負担の調整などで稼働開始の遅れも必至の情勢となっている。
事業費の大幅な増加は、東京電力福島第1原発事故を受けた安全対策の強化が主因。トルコ側は事業費拡大も踏まえ、今後、計画を続行するかどうか検討を本格化するとみられる。