東日本大震災と福島原発事故から11日で3年半、今も県内外に12万7000人を超える県民が避難しており、深い傷から立ち直るための復興施策はまだ道半ばです。
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福島県が11日に発表した東日本大震災、東京電力福島第1原発事故に伴う避難者数は、県内への避難者が7万9939人となり、8万人を割りました。県外への避難者らを含めた全体の避難者数は12万7138人です。
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経済産業省が福島原発事故により個人事業主や中小企業が生じた営業損害の賠償を、来年3月以降への期間の延長を検討していることが分かりました。
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原発事故に伴い楢葉町から避難し、いわき市の仮設住宅で生活していた女性(87)が仮設住宅近くの林で死亡していたことが分かりました。女性は夫を4月に亡くし、心労が重なりストレスを抱えていたようだということです。女性が姿を消した2日は、夫の誕生日の翌日でした。
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震災3年半、復興半ば 沿岸部ではつち音
福島民友ニュース 2014年9月12日
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11日で3年半となった。今も県内外に12万7000人を超える県民が避難し、深い傷から立ち直るための復興施策は道半ばだ。ただ、大津波に襲われた沿岸部では地域再建へ向けて復興へのつち音が響く。
海岸線が60キロ続くいわき市では、沿岸部各地で区画整理や防潮堤復旧工事が進行中だ。塩屋埼灯台を望む薄磯海岸では11日、遺族らが慰霊に訪れる中で重機が動き回り、防潮堤を造る作業が続けられていた。
県のまとめでは同日現在、犠牲者は3586人(直接死1603人、震災関連死1758人など)で、3人が行方不明となっている。
県内への避難者8万人割る 全体では12万7138人
福島民友ニュース 2014年9月12日
県が11日に発表した東日本大震災、東京電力福島第1原発事故に伴う避難者数は、県内への避難者が7万9939人となり、8万人を割った。県外への避難者らを含めた全体の避難者数は12万7138人。県の集計によると、県内への避難者の内訳は応急仮設住宅への入居者が2万6236人で、借り上げ住宅が4万6152人、公営住宅や雇用促進住宅の入居者が4938人などとなっている。
15年3月以降も賠償 個人・中小の営業損害
福島民友ニュース 2014年9月12日
東京電力福島第1原発事故により個人事業主や中小企業が営業できなくなり生じた営業損害の賠償について、経済産業省が来年2月までとしていた賠償対象期間の延長を検討していることが11日、分かった。同省が、賠償の完全実施に向けた要望に訪れた村田文雄副知事らに説明した。
個人事業主などを対象にした営業損害は、東電が2012(平成24)年10月に一括払いの請求受け付けを開始したが、対象期間が限定的で改善を求める声が強かった。
賠償の指針を協議した原子力損害賠償紛争審査会は賠償の中間指針で、営業損害の終了時期は「被害者が従来と同等の営業活動を営むことが可能となった日を終期とすることが合理的」との判断を示していたが、経産省や東電は明確な対応を示していなかった。
仮設の87歳女性が自殺 楢葉からいわきに避難、心労か
福島民友ニュース 2014年9月12日
東京電力福島第1原発事故に伴い楢葉町から避難、いわき市の仮設住宅で生活していた女性(87)が仮設住宅近くの林で死亡していたことが11日までに分かった。いわき中央署によると、女性は首をつって自殺したとみられる。
女性を知る関係者によると、女性は夫を4月に亡くし、夫の死と避難生活による心労が重なりストレスを抱えていたようだという。女性は周囲に「もう仮設は嫌だ」「私も早く死にたい」などと話していたという。
関係者によると、女性は2日午後に仮設住宅から出掛けたまま夜になっても戻らず、同居する長男が周辺を探しても見つからなかったため、110番通報した。
同署などが捜索し、翌朝、近くの林の斜面であおむけに横たわり亡くなっている女性を発見した。
女性が姿を消した2日は、夫の誕生日の翌日だったという。