新潟日報 2014年9月6日
<美浜原発2基廃炉検討で東電がコメント>
東京電力柏崎刈羽原発で最も古い1号機は1985年に運転を開始した。関西電力が廃炉を検討している美浜原発1、2号機はいずれも運転から40年以上を経過しているのに対し、柏崎刈羽原発は29~17年。東電は「現時点において柏崎刈羽原発については廃炉を検討していない」とコメントしている。
柏崎刈羽原発では1号機に次いで、5、2号機が90年に運転開始。その後、3号機(93年)4号機(94年)6号機(96年)と続き、97年に7号機が運転を始めた。原子炉等規制法で定められている原則40年の運転期間までいずれも10年以上残している。
美浜原発など70年代に運転を始めた原発は8原発12基に上り、新規制基準が求める燃えにくい素材のケーブルが使われていないものもあるなど設備が古く、対策費用が巨額になる。苦しい経営が続く電力会社は比較的新しい原発の再稼働に注力し、古い原発は廃炉を視野に入れている。
一方、柏崎刈羽原発では福島第1原発事故を受けて、総額2700億円をかけ防潮堤建設などの安全対策を実施した。再稼働できれば投資に見合うと考えているとみられる。
1号機は来年9月、運転開始から30年の節目を迎える。法律で定めた40年を超えて運転するためには10年後、原子炉圧力容器などの劣化を調べる「特別点検」が求められる。東電は「40年を超えて運転することについては、その評価を行う時期に考えたい」との方針を示している。
東電は6、7号機の再稼働を目指し、昨年9月に原子力規制委員会に対して新基準を満たしているかどうかの審査を申請した。現在審査が行われている。今年1月に政府が認定した東電の総合特別事業計画(再建計画)では、1、5号機の再稼働も明記している。