日本学術会議は25日、「核のごみ」の最終処分に関し、高レベル放射性廃棄物の対策があいまいなまま、原発を再稼働するのは無責任などと指摘する二つの分科会の報告書を正式に公表しました。
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環境省は24日、楢葉町の高線量箇所の追加除染を10月に開始する方針を明らかにしました。町議会議員は追加除染の基準の明確化を求めましたが、同省担当者からは明確な回答はありませんでした。松本幸英町長は「今後も毎時0.23マイクロシーベルト以上は徹底的な除染を求めていく」と述べました。
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福島県で行われている18歳以下の甲状腺検査は無料ですが、19歳以上になると医療費は自費負担になります。このため福島県は、今後19歳以上になっても無料で検査や治療が受けられるように国に要求していくことを明らかにしました。
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原子力開発機構は25日、事実上の運転禁止命令が出ている高速増殖炉もんじゅについて、これまで9月末までとしていた集中改革期間を来年3月まで延長する方針を明らかにしました。2014年度内の命令解除を目指すことになります。
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核ごみ対策放置は無責任 学術会議が報告書
東京新聞 2014年9月25日
日本学術会議は25日、原発から出る「核のごみ」の最終処分に関し、新たに生じる高レベル放射性廃棄物の対策があいまいなまま、原発を再稼働するのは「将来世代に対し無責任」などと指摘する二つの分科会の報告書を正式に公表した。
学術会議は2012年、廃棄物を回収可能な場所で「暫定保管」し、その間に最終処分の進め方で国民の合意を得るべきだと国に提言。今回の報告書を踏まえ、今後、この提言の具体化に向けた新たな提言をまとめる。
報告書は、12年に提言した廃棄物の暫定保管や総量を管理する方針について、中立公正な組織を設けて社会的な合意形成を図る必要があると強調した。(共同)
環境省が楢葉の高線量箇所「追加除染」を10月開始へ
福島民友ニュース 2014年9月25日
環境省は24日、楢葉町で行った直轄除染で効果の薄かった高線量箇所の追加除染を10月に開始する方針を明らかにした。いわき市で同日開かれた町議会全員協議会で示した。議員からは追加除染を行う際の基準の明確化を求める声が相次いだが、同省担当者は「一定の線量で一律に決めることはできず、局所的に線量の高い場所から取り組む」と述べるにとどめた。同省は今年3月末までに約2400世帯で除染を完了。4月から除染効果を確認する事後モニタリングを行っている。
協議会で、同省は宅地の事後モニタリングの速報値を報告。8月13日までに終えた約4割の宅地の数値の測定結果をまとめた。高さ1メートルの空間線量は除染前の平均値毎時0.83マイクロシーベルトから0.34マイクロシーベルトに約59%低減し、「面的な除染効果はおおむね維持されている」と評価した。一方、松本幸英町長は協議会終了後、報道陣に「今後も毎時0.23マイクロシーベルト以上は徹底的な除染を求めていく」と従来の主張を繰り返した。
甲状腺検査の医療費負担解消へ 国に財政支援求める 県が方針
福島民報 2014/09/25
東京電力福島第一原発事故を受け、当時18歳以下だった37万人を対象に実施している甲状腺検査で、県は経過観察診療などで生じた医療費を県民が負担することがないよう国に財政措置を求めていく。県は18歳以下の医療費を無料化しているが、19歳以上になった受診者の経済的負担が課題となっていた。鈴木議員の質問に鈴木淳一保健福祉部長が示した。
甲状腺の結節やのう胞の大きさが一定以上で「B」と「C」と判定されれば、2次検査で血液や細胞を調べる。6月末現在、2次検査が必要な人は2237人で、検査結果が確定した人は1848人。このうち1225人が6カ月後または1年後の通常診療(保険診療)での経過観察となっている。
現行の甲状腺検査では1次、2次検査の個人負担はないが、その後に通常診療に移行した人が19歳以上になれば原則として受診者が負担している。2次検査時点で18~21歳は計57人で、そのうち30人前後が自費で医療費を負担したと県はみている。
県は甲状腺検査で生じた経済的負担を解消するよう環境省と復興庁に求めている。同省は「専門家会議の中で検討していく」と回答するにとどめている。
甲状腺検査は6月末までに約30万人が受診した。甲状腺がんやその疑いと診断された人は104人で、がんと確定した子どもは57人。1人は手術の結果、良性だった。がんの疑いは46人。
原子力機構もんじゅ改革期間延長 年度内の命令解除目指す
東京新聞 2014年9月25日
日本原子力研究開発機構は25日、大量の機器の点検漏れにより、事実上の運転禁止命令が出ている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、9月末までと位置付けた集中改革期間を来年3月まで延長する方針を明らかにした。2014年度内の命令解除を目指し、今年11月に保安規定変更などを申請する。
原子力機構は当初、9月末までの命令解除を目指していたが、原子力規制委員会が昨年5月、安全管理体制が整うまで運転再開に向けた準備を見合わせるよう命じた後も、機器の新たな点検漏れや、点検記録の不適切処理が判明するなど、トラブルや不祥事が相次いでいた。 (共同)