東電と国は18日、福島原発の地下汚染水対策を建屋周辺の井戸「サブドレン」などからくみ上げそれを浄化してから海に放出する計画を、いわき市漁業協同組合に説明しましたが、組合員からは反発が相次ぎました。現在は濃厚に汚染された地下水の一部がそのまま海に流出しているので、浄化処理をする分は改善される筈ですが、これまでの不信感が背景にあるためと思われます。
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全町避難が続く福島県浪江町の町民約1万5千人の申し立てに基いて、東電に対して慰謝料の増額を求めたADRセンターの和解案を、東電は6月に続き、再度拒否しました。
低い賠償金を受けている人たちとの公平性を著しく欠くからという説明ですが、それは取りも直さず、一旦低額で決めたベースを上回ることはしないということです。
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福島、海洋放出で漁業者反発 原発の汚染水対策
東京新聞 2014年9月18日
東京電力福島第1原発の汚染水対策として、建屋周辺の井戸「サブドレン」などからくみ上げた地下水を浄化して海に放出する計画で、東電と国は18日、福島県いわき市でいわき市漁業協同組合の組合員らに内容を説明した。出席者からは反発が相次ぎ、再度、説明会を開くことを決めた。
汚染水対策では、山側の地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス」が5月に始まったばかり。サブドレンの地下水には放射性物質が含まれており、東電は地下水バイパスの排出基準まで浄化した上で海に流すとして、くみ上げた水の浄化試験を進めている。(共同)
東電、慰謝料増額和解案再び拒否 浪江町民1万5千人申し立て
東京新聞 2014年9月18日
東電福島原発事故による全町避難が続く福島県浪江町の町民約1万5千人が原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた裁判外紛争解決手続きで、東電は18日までに、慰謝料の増額を求めたセンターの和解案を、6月に続き、再度拒否した。
東電は17日付の回答書で「指針に基づき賠償を受けた方々との公平性を著しく欠き、受諾は困難」とした。6月に拒否する回答書を提出した後、センターが受諾を求めていた。
文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は指針で慰謝料を月10万円と定めている。和解案は、申立人全員に2012年3月11日から今年2月末まで月5万円を増額するなどとした。(共同)