2014年9月19日金曜日

湧水保護条例 塩谷町|福島 生活支援強化|増設ALPS試運転|常磐道・浪江以北開通へ

 「指定廃棄物」の最終処分場候補地に選ばれた栃木県塩谷町は19日、候補地の高原山の環境保全を目的にした条例案を臨時の町議会に提出します。開発事業を許可制にし、処分場建設など環境への影響が懸念される開発を制限する狙いです
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 避難の長期化に伴う原発事故関連死を防ぐため、福島県は生活支援相談員をほぼ倍増し、「避難者カルテ」の作成に乗り出す方針です。生活支援相談員は現在約200人ですが、相談員の大幅増員と効果的な人員配置で支援体制を強化します
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 東電は、福島原発の汚染水からトリチウム以外の62種類の放射性物質を取り除ける多核種除去設備(ALPS)を3系統増設し17日、試運転を開始しました。12月末ごろには既設、増設それに10月中に完成予定の高性能型本格運転させ、1日当たりの処理量を計2000トンに引き上げる方針です
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 寸断されていた常磐道のうち浪江以北12月6日に開通する見込みです(残りの原発近傍区間は来年5月開通)。相馬地方の観光関係者などからは歓迎の声が上が一方、北部へのアクセス向上により、仙台市の商圏へ消費者が流出することに警戒する声も聞かれます(^○^)
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湧き水保護 条例制定へ 塩谷町あす議会提出(栃木)
東京新聞 2014年9月18日
 高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場候補地に選ばれた塩谷町は十九日、候補地の国有林がある高原山(たかはらやま)の環境保全を目的にした条例案を臨時の町議会に提出する。条例案は全会一致で可決される見込み。開発事業を許可制にし、処分場建設など環境への影響が懸念される開発を制限する狙いだ。 (大野暢子)
 
 名称は「塩谷町高原山・尚仁沢(しょうじんざわ)湧水保全条例案」。候補地に近く、名水百選にも選ばれた「尚仁沢湧水」への影響を心配した有志が八月、保全条例の制定を求める陳情書を町議会に提出した。
 条例案では、尚仁沢湧水や天然記念物のイヌブナ林など、一帯に希少な自然が多いことを強調。水質と環境の保全、湧き水の枯渇防止のほか、水質の社会的評価の維持を目指すべきだとしている。
 具体的には、町長が保全が必要な地域を「湧水等保全地域」に指定。指定地域で廃棄物処理や採石などを希望する事業者には、事業計画を含む許可申請書の提出を義務付ける。
 町長は有識者らでつくる審議会の意見を聞き、許可するかを判断。事業者には、計画を周知するための住民説明会の開催なども求める。
 開発許可の条件は「湧水の品質に対する社会的評価を低下させるおそれがないこと」「町民との協議を経ていること」など。事業者が条件に違反すると、町長は改善や事業中止を命令できるという。
 見形(みかた)和久町長は、条例制定の意義を「指定廃棄物最終処分場の建設に断固反対していくという姿勢をアピールできる」と説明している。
 町が八月二十五日~今月十四日に募集した条例案へのパブリックコメントには、計十六の意見が寄せられた。町住民課によると、条例案の解釈についての質問が多く、内容の大幅な見直しはしない。
 町のホームページ(HP)で公開されたパブコメの一部には「候補地選定の白紙撤回のための条例制定はするべきでない」という意見があった。これに対し、町はHP上で「高原山の自然は、たびたび開発による破壊の危機に直面してきたため、将来にわたって危機から守る施策が必要だ」との見解を回答し、制定に理解を求めた。
 
 
相談員ほぼ倍増へ 生活支援強化 避難者カルテも作成
福島民報 2014年9月18日
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による避難の長期化に伴う震災(原発事故)関連死を防ぐため、県は生活支援相談員をほぼ倍増し、「避難者カルテ」の作成に乗り出す。吉田議員の質問に鈴木淳一保健福祉部長が示した。
  生活支援相談員は現在約200人。各市町村の社会福祉協議会に委託し、仮設住宅や借り上げ住宅で被災者を見守っている。相談員1人当たりの担当人数が100人以上に膨らむ場合がある他、避難元の市町村ごとに被災者を支援しているため市町村の枠組みを超えた効果的で効率的な支援が求められていた。
  今後さらに、仮設住宅から災害公営住宅への転居で避難者の分散が想定されるため、相談員の大幅増員と効果的な人員配置で支援体制を強化する。避難者情報や近況を相談員らが共有できるよう「避難者カルテ」のシステム運用も目指す。
 
 
増設ALPSの試運転開始 東京電力「トラブルはなし」
福島民友ニュース 2014年9月18日
 東京電力は17日、福島第1原発の汚染水からトリチウム以外の62種類の放射性物質を取り除ける多核種除去設備(ALPS)について、増設した設備の試運転を開始した。東電は「設備からの汚染水の漏えいなどトラブルはなかった」としている。今後、処理前と比べ放射性物質濃度がどの程度低減したかを分析する。
  増設したALPSは、試運転中の既設のALPSと同じ3系統あり、1日当たり750トンの汚染水を処理できる。東電は国の補助を受けて導入する高性能型ALPSも10月中の試運転開始を目指している。12月末ごろには既設、増設、高性能型ともに本格運転に移行、1日当たりの処理量を計2000トンに引き上げる方針。
 
 
観光客増に“熱い期待” 常磐道・浪江以北12月6日開通
福島民友ニュース 2014年9月18日
 安倍晋三首相が12月6日に常磐道の浪江以北を開通させると明言した17日、相馬地方の観光関係者などからは歓迎の声が上がった。一方、北部へのアクセス向上により、相双の経済団体関係者からは仙台市の商圏へ消費者が流出することに警戒する声も聞かれた。
  相馬市観光協会の大河内富治夫事務局長(61)は「被災地ツアーなど西日本からの観光客は仙台空港を利用してるが、高速道の開通により、相馬も観光地の選択肢の一つになる。より魅力的な観光プランをPRしていきたい」と意気込む。相馬光陽パークゴルフ場の門馬善治郎専務理事(61)も「安全な道路通行ができることで、宮城や山形から冬期間の利用者が増える」と期待した。一方、相馬商工会議所の吉田一直事務局長(53)は「仙台の商圏に相馬地方の消費者が流れる『ストロー現象』も懸念される。魅力的な地域づくりに力を入れないと」と気を引き締めた。