2015年3月31日火曜日

東電、除染費用払わず 市町村実施分僅か15億円のみ

 福島原発事故後、市町村が実施した除染費用として国が月末までに東電に761億円請求しましたが、東電側15億円しか応じず、残る746億円の支払いを事実上拒否しています。
 一方、国直轄の除染分は東電に請求した925億円のうち799億円を支払っていて、対応が大きく分かれています
 
 東電広報部は市町村除染への不払いについて「法的に支払い義務のある除染作業かどうか確認に時間がかかっている」と弁明しますが、特別措置法により除染費用は東電が負担することになっていて、理解できない言い草です。
 東電以外に放射能の排出源はないのに何を寝ぼけたことを言っているのでしょうか。
 
 国直轄の除染分はいわゆる原子力ムラのゼネコンが実施しているので、もしもそちらを優先しているというのであれば言語道断です。
 いずれにしても法令で決められたことも不可解な理由をつけて守らないという、理解しがたい会社です。 
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東電、除染費用払わず 市町村実施分2%のみ
東京新聞 2015年3月30日
 福島第一原発事故後、市町村が実施した除染費用として国が二月末までに東京電力に請求した七百六十一億円のうち、東電側が約2%しか応じず、残る七百四十六億円の支払いを事実上拒否していることが、環境省への取材で分かった。一方、国直轄除染分は基本的に応じており、対応が大きく分かれていることが浮き彫りとなった。
 
 除染関連費用は国がいったん立て替え払いした後、東電に請求する仕組み。東電の支払いが遅れれば、利息分は税金で賄われるため国民負担の増加につながる。
 
 東電広報部は市町村除染への不払いについて「法的に支払い義務のある除染作業かどうか確認に時間がかかっている」と弁明。一方、環境省は「全て法律に基づき東電に請求しており、引き続き全額支払いを求めていく」と反発している。
 
 除染関連費用は二〇一一年八月に成立した特別措置法により、東電が負担すると規定。政府は一四年度までに約一・四兆円(うち市町村分は約六千三百億円)を計上した。
 
 環境省は金額が確定し書類がそろった除染事業について、一二年十一月から定期的に東電に請求している。今年二月末までに市町村分として七百六十一億円を求めたが、東電は最初の請求分の一部である十五億円に応じた後は支払っていない。一方、国直轄分として請求した九百二十五億円については約86%の七百九十九億円を支払っている。
 特措法に基づく除染は福島県など東北と関東の八県が対象で、関連費用は総額二・五兆円の見込み。放射性物質による汚染が深刻な第一原発周辺の十一市町村は国が直轄で除染し、これまでに四市町村で終了。それ以外の九十九市町村は各自治体が地域の実情に応じて実施することになっているが、完了したのは十八市町村のみだ。
 
<原発事故に伴う除染> 福島の原発事故で飛散した放射性物質が付着した土壌を取り除き、建物や道路の表面を洗浄する。福島第一原発周辺の避難区域は国が直轄で除染を実施。それ以外は、年間追加被ばく線量1ミリシーベルトから試算した空間線量毎時0・23マイクロシーベルトを超える地域を国が指定し、市町村が除染を実施する。除染の枠組みを定めた特別措置法は東京電力が除染費用全てを負担すると明記しているが、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設については国が負担する。
 
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