2015年3月22日日曜日

玄海1号機廃炉について九電が町議会に説明

 玄海町議会原子力対策特別委員会は20日、九州電力の山元春義副社長から玄海原発1号機の廃炉について説明を受けました。
 
 廃炉の理由として山元副社長は「新規制基準への適合は技術的には可能だが、追加工事の投資額の回収見通しを考えた結果、運転延長申請を断念した」と説明しました。町側からの原子炉の劣化が廃炉と関係があるのかとの質問に対しては、今村所長は「既に専門家が安全性を確認しており、廃炉とは全く関係ない」と否定しましたが、これは多分に他電力のことを配慮した建前論と思われます。
 また廃炉費用については、「費用の92%は積み立てているが、今後、計画変更があれば、電気料金から頂くことになる」と述べました
 廃炉で出る放射性廃棄物は2680トンに上るということです
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玄海1号機廃炉 放射性廃棄物2680トン
佐賀新聞 2015年03月21日
 東松浦郡玄海町議会は20日、原子力対策特別委員会(岩下孝嗣委員長、11人)を開き、九州電力の山元春義副社長から玄海原発1号機の廃炉について説明を受けた。町議は原子炉の劣化との関係や、廃炉に伴う放射性廃棄物の処分方法をただし、九電は安全性の問題ではなく経済性で判断したことを強調した。
 
 山元副社長のほか玄海原発の今村博信所長ら4人が出席した。山元副社長は「新規制基準への適合は技術的には可能だが、追加工事の投資額の回収見通しを考えた結果、運転延長申請を断念した」と説明した。今村所長は、廃炉で19万3800トンの廃棄物が生じ、このうち放射性廃棄物は2680トンに上る試算を示した。工程を示す「廃止措置計画」を2015年度に原子力規制委員会に提出する。
 
 議員は原子炉の劣化が危険と指摘されていたことに触れ「廃炉と関係があるのか」と尋ねた。今村所長は「既に専門家が安全性を確認しており、廃炉とは全く関係ない」と否定した。
 
 放射性廃棄物をめぐっては、玄海の敷地内に一時的に貯蔵するのか、最終的な処分地をどう考えているかを問い、早急に検討するよう迫った。山元副社長は「廃炉は時間がかかる作業で、一時貯蔵して様子を見る。最終処分をどうするか全国の電力会社で話し合っているので、その状況を見ながら準備したい」と述べ、検討課題とした。
 
 廃炉費用に不足が生じれば電気料金にさらに上乗せするか聞かれると、今村所長は「廃炉費用の92%は積み立てている。今後、計画変更があれば、電気料金から頂くことになる」と答えた。
 
 終了後、同席していた岸本英雄町長は放射性廃棄物の保管について「保管場所は近くに造ることが合理的だが、敷地内には場所が少ない。新たな土地を買う必要があるのではないか。将来はプラントごとに処分地が必要になってくるはず」と語った。