経産省は原発の発電コストを見かけ上安くしようと、種々の算段を始めました。
まず現行の事故の確率=40年に1回 を更に下げようとしています。
原発事故時の補償の費用や原状回復の費用はそのまま原発のコストの構成要因なので、事故の確率が下がるほどコストは小さくなります。
しかし、地震国であるにもかかわらず、原発の基準地震動は必要な値の数分の1しかとっていません。従って再稼動させるべきでもなく、勿論事故の確率を下げるべきでもありません。
福島の現実を見ても、地震で送電用の鉄塔は倒れる、(海水)冷却水ホンプは瞬時に止まるというありさまでした。冷却水ホンプは竪型の長軸の吊下げ型ポンプであるため、地震の震動で破損したものと思われます。
更に金くい虫の「もんじゅ」の技術開発費を原発コストから外し、原発に関する将来に向けた研究費も除外しようとしています。それらが原発関連でないとしたら一体何なのでしょうか。一体どういう名目で処理しようというのでしょうか。
いかなる方法をとろうともそれがゴマカシであることは明らかで、偽りの原発コストが出来上がるだけのことです。
あれほどの大事故を起したばかりなのに、こんな風にして事故前に原子力ムラが作り上げていた「欺瞞」にまた戻ろうとしています。
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「もんじゅ」技術開発費、原発コストに含めず 経産省
朝日新聞 2015年3月27日
原発の発電コスト計算から高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の技術開発費が除外される見通しとなった。経済産業省が26日開いた、原発や再生可能エネルギーなど電源ごとの発電コストを再検証する「発電コスト検証ワーキンググループ(WG)」で、方針に異論が出なかったためだ。
この日のWGでは、将来に向けた研究費は、いまの発電コストに含めるべきではないとの意見でまとまった。前回2011年の民主党政権下では、それまで含んでいなかった原発立地のための交付金や研究費といった「政策経費」も加えることにした。この時の政策経費は、11年度の予算をもとに年間3182億円かかると試算して、発電コストは1キロワット時あたり1・1円上昇した。
このうち「もんじゅ」を含めた将来に向けた技術開発費は1401億円と半分近くを占めた。今回の算定で使われる今年度予算では、「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構の運営交付金が955億円などとなっており、こうした費用が除外の対象になるとみられる。今後、経産省は除外する費用を積み上げるが、前回の1キロワット時あたり8・9円以上とした原発コストの押し下げ要因になる。
一方、前回試算で「約40年に1回」とした事故の発生確率は結論が出ず、これからの焦点になる。委員からは「原発の安全対策をしているのに事故リスクが下がらないのは、つじつまが合わない」とする意見や、「前回も世界最高水準の安全対策をとることが前提だった。確率を変えるのは反対だ」という意見もあり、割れた。
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「原発事故の確率減」 コスト抑制 経産省強調
東京新聞 2015年3月27日
経済産業省は26日、発電方式ごとにかかるコストを検討する有識者会合を開き、原発で発電する場合に必要なコストの計算方法について話し合った。経産省は福島第一原発のような事故が起きる確率を、前回試算より低く見積もる案を提示。原発に必要なコスト全体を抑えることにつながる提案で、委員から反対意見があがり、まとまらなかった。
二〇一一年の前回試算では、原発の建設から廃炉までの費用のほか、使用済み核燃料の再利用計画にかかる費用や、政府が自治体に配る交付金なども考慮。この結果、一キロワット時の発電に必要なコストを「最低八・九円」とし、政府は「原発は低廉」と主張してきた。
この「最低八・九円」には震災後に電力各社が行った安全対策費や、福島第一原発と同じ規模の事故に備えた費用も一定の条件で推計して含まれている。原発事故の確率は四十年に一回起きる想定になっている。
しかし現在は安全対策費も事故処理費用も当時の想定を大幅に超え、原発コストの上昇要因になっている。これに対し経産省は「安全対策が進んだのだから、事故が起きる確率は低くならなければおかしい」(幹部)と主張。この日の会合で配った資料に、事故の発生頻度が「低減すると予想される」と書き込み、これが「反映されるような算定根拠を考える」と提案した。
委員の中には「個人的には事故の確率は半分ぐらいになっている感覚だ」(山名元・京都大教授)と安易に同調する意見もあった。
これに対し植田和弘京都大教授は「安全対策の効果を算出できるなら事故の確率を下げてもいいが、できないなら(注釈などの)記述で済ませるしかない」と主張するなど意見が割れ、この日は結論を見送った。
「もんじゅ」技術開発費、原発コストに含めず 経産省
朝日新聞 2015年3月27日
原発の発電コスト計算から高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の技術開発費が除外される見通しとなった。経済産業省が26日開いた、原発や再生可能エネルギーなど電源ごとの発電コストを再検証する「発電コスト検証ワーキンググループ(WG)」で、方針に異論が出なかったためだ。
この日のWGでは、将来に向けた研究費は、いまの発電コストに含めるべきではないとの意見でまとまった。前回2011年の民主党政権下では、それまで含んでいなかった原発立地のための交付金や研究費といった「政策経費」も加えることにした。この時の政策経費は、11年度の予算をもとに年間3182億円かかると試算して、発電コストは1キロワット時あたり1・1円上昇した。
このうち「もんじゅ」を含めた将来に向けた技術開発費は1401億円と半分近くを占めた。今回の算定で使われる今年度予算では、「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構の運営交付金が955億円などとなっており、こうした費用が除外の対象になるとみられる。今後、経産省は除外する費用を積み上げるが、前回の1キロワット時あたり8・9円以上とした原発コストの押し下げ要因になる。
一方、前回試算で「約40年に1回」とした事故の発生確率は結論が出ず、これからの焦点になる。委員からは「原発の安全対策をしているのに事故リスクが下がらないのは、つじつまが合わない」とする意見や、「前回も世界最高水準の安全対策をとることが前提だった。確率を変えるのは反対だ」という意見もあり、割れた。