佐賀新聞が、廃炉の決まった玄海原発1号機の廃炉作業の大体の工程を伝えています。
それによると廃炉工程は以下の4段階に分けられ、各段階毎に6年~8年を要します。
第1段階 解体準備(燃料取り出し、除染など)
第2段階 原子炉周辺設備の解体・撤去
第3段階 原子炉の解体・撤去
第4段階 解体廃棄物の処分
廃炉作業が完了するまでには30年以上かかります。
使用済み核燃料を含めて最終処分場はまだ決まっておらず、大量に発生する廃棄物をどうするかは不透明ということです。
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玄海1号機廃炉 完了まで30年以上
佐賀新聞 2015年03月19日
■廃棄物処分先など課題
原子力発電所の廃炉作業が完了するまでには、30年以上に渡る長い時間が必要になる。原子炉から取り出した使用済み核燃料の保管場所や、大量に発生する放射性廃棄物の処分先の確保など難題が控えている。
廃炉作業に進むに当たって、電力会社は解体作業のスケジュールなどを記した「廃止措置計画」を原子力規制委員会に提出し、計画が認可されてから実際の作業に取りかかる。
その工程は大きく4段階に分けられる。燃料を原子炉から運び出す「解体準備」を皮切りに、原子炉周辺設備の解体・撤去、原子炉そのものの解体・撤去、最終段階の解体廃棄物の処分へと進む。現在廃炉作業中の中部電力浜岡原発1号機(静岡県)の計画でみると、段階ごとに6~8年かかる見込み。
第1段階の「解体準備」では、燃料を原子炉から取り出した後、放射線のレベルを下げる除染作業を行う。取り出した使用済み核燃料をどこに保管するかが最大のポイント。稼働中の別の原子炉の燃料プールに移したり、特殊な容器に入れて空気で冷やしながら保管する「乾式貯蔵施設」の新設などが考えられる。
第2段階「原子炉周辺設備の解体・撤去」で原子炉以外のタービンや冷却装置などの設備や機器を取り外し、第3段階「原子炉の解体・撤去」で原子炉そのものの解体に取りかかる。
最後の第4段階「解体廃棄物の処分」は、原子炉建屋や関連施設の建物を取り壊し、敷地を更地に戻す。
ただ、使用済み核燃料を含めて最終処分場は決まっておらず、大量に発生する廃棄物をどうするかは不透明だ。
玄海原発1号機と出力がほぼ同規模で運転方式が異なる浜岡原発1号機は2001年に運転を停止、廃炉完了は36年度の予定。廃炉に伴う廃棄物の推定発生量は約
21万トンで、このうち放射性廃棄物は約7千トンと見込んでいる。(古賀史生)