福島原発事故における避難指示解除後の精神的賠償の期間について、東電が解除後1年を目安としているのを少なくとも3年以上に延長することなどを求めた楢葉町の要望に対し、東電の回答は昨年に続いて再び「ゼロ回答」だったことが分かりました。
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原子力規制委員会は4日の定例会合で、高速増殖炉もんじゅ(福井県)で起きた大量の機器点検漏れの問題に関する原子力機構の報告書について議論し、田中俊一委員長は「事実上の運転禁止命令解除にはまだまだ道が遠い」と述べました。
原子力機構の怠慢の問題は指摘の通りですが、この際一旦事故を起せば爆発や燃焼を止める手段のない設備であることに対する規制委の見解も明確にして欲しいものです。
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東京電力、再び“ゼロ回答” 楢葉町民への精神的賠償
福島民友ニュース 2015年3月4日
東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示解除後の精神的賠償について、楢葉町議会が町民の意見を集約した、少なくとも3年以上の継続などを求めた要望に対し、東電の回答が具体的進展がない「ゼロ回答」だったことが3日分かった。昨年5月の要望に続いて再び具体策を示さなかったことに対して青木基議長は「今後、要望活動をさらに強める」と東電の姿勢を批判した。
東電は精神的賠償の期間について「解除後1年」を当面の目安とする国の賠償審査会の指針に基づき支払うとした上で「復興推進活動を含め最大限努力する」と回答。また営農再開後の風評被害による賠償や支援策、町復興事業への支援、地元雇用を含めた地域振興策についても「最大限努力する」などと明言を避けた。
もんじゅ運転禁止解除「道遠い」 原子力規制委員長
東京新聞 2015年3月4日
原子力規制委員会は4日の定例会合で、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県)で起きた大量の機器点検漏れを受けて、原子力機構が提出した報告書について議論した。もんじゅには事実上の運転禁止命令が出ているが、田中俊一委員長は「(命令解除には)まだまだ道が遠い。原子力機構には自覚を持って取り組んでほしい」と述べた。
規制委事務局の原子力規制庁は「ミスや不適切な対応を何度も繰り返しており、再発防止策が十分行われていないのではないか」と指摘。今後、現場での保安検査などの結果を踏まえ、報告書についての中間的なとりまとめを行い、定例会合で報告する。(共同)