東海村の日本原電東海第二原発で重大事故が発生し、放射性物質が放出された場合の茨城県の広域避難計画が、24日の県防災会議で報告されましたが、県外避難とされた52万人の具体的な避難先が抜け落ちていました。
現在、避難先となる5県とは協議中で、これまで全体の会合を2回行い、個別には10回ずつ程度、話し合ってきたということですが、まだ5県から具体的な避難先の提示がないということで、茨城県は15年度の早い時期に提示して欲しいとしています。
ほしいとしている。
茨城県の広域避難計画は進んでいる方の部類と思われますが、それでもこの有様なので、県外避難52万人をはじめとして果たして実効性のある避難計画に仕上げることができるのか注目されます。
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東海第二原発の広域避難計画 行き先抜け落ちる
東京新聞 2015年3月25日
東海村の日本原子力発電東海第二原発で重大事故が発生し、放射性物質が放出されたと想定して(茨城)県が策定、二十四日の県防災会議で報告された県の広域避難計画。計画からは、県外避難とされた五十二万人の具体的な避難先が抜け落ちている。原発事故で住民の安全な避難は可能なのか、現段階で計画には答えはなく、今後の市町村の避難計画作りにも影響しそうだ。 (林容史)
県原子力安全対策課の黒沢一男副参事は「避難先の確定が第一の課題」と認める。現在、避難先となる五県とは協議中で、これまで全体の会合を二回行い、個別には十回ずつ程度、話し合ってきたという。
水戸、日立市など、県広域避難計画で県外への住民避難が明記された自治体は、具体的な避難先が未定では避難経路も書き込めず、計画作り作業の遅れにつながりかねない。原発から三十キロ圏の十四市町村は、おおむね二〇一五年度中の計画策定を目指しており、県は、新年度の早い段階で、五県に具体的な避難先を提示してほしいとしている。
ほかにも、避難時の放射性物質の汚染検査で、資機材の調達、検査人員の確保など、不透明な部分は多い。
水戸市の小林良導危機管理室長は「県全体の広域避難の方向性が示され、一歩前進と感じている」と今回の内容を評価。一方で、「水戸市は避難先が半分が未定。県と連携しながら引き続き計画作りを進めたい」とする。
黒沢副参事は「必要に応じて計画を改正し、充実させていく。しかし、(具体的な部分が)ないことによる問題点はあり、なるべく早く解決するしかない」と述べた。