国連防災世界会議の一環で、宮城県が企画した東北電力女川原発の公式視察について、脱原発を訴える13の市民団体が6日、「被災原発を美化することは世界に対する誤った情報発信になる」とする申し入れ書を県と東北電に提出しました。
視察は17日に「歴史に学んだ女川原発の安全対策」と銘打って行われるもので、海外からの参加者を対象としています(定員30名)。
市民団体は、「事故回避は紙一重の幸運にすぎない。海外の防災関係者に対し、福島原発事故の教訓に立った真実を伝えるべきだ」などと求めました。
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「被災原発美化は誤り」13市民団体が抗議
河北新報 2015年3月7日
国連防災世界会議(14~18日)の一環で(宮城)県が企画した東北電力女川原発(女川町、石巻市)の公式視察について、脱原発を訴える市民団体が6日、「被災原発を美化することは世界に対する誤った情報発信になる」とする申し入れ書を県と東北電に提出した。
視察は17日の「千年に一度の町づくり~歴史に学んだ女川原発の安全対策」。現地で東北電が震災時の状況や安全対策を説明するほか、町地域医療センター、仮設商店街などをめぐる。参加定員30人に対し、6日現在8人が申し込んだ。
「女川原発の再稼働を許さない!2014みやぎアクション」など13団体は、女川原発の安全面を強調した視察を問題視。「事故回避は紙一重の幸運にすぎない。海外の防災関係者に対し、福島第1原発事故の教訓に立った真実を伝えるべきだ」などと求めた。
県国際経済・交流課は「客観的な事実に基づく説明をするよう東北電に伝える」、東北電は「事実をしっかり説明する」と答えた。
女川原発は震災の揺れで海抜14.8メートルの敷地が1メートル沈下。当時の想定(9.1メートル)を超える13メートルの津波が到達し、一部施設が浸水するなどの被害が出た。