2015年3月16日月曜日

原発防災「対応は困難」 福島の首長ら体験語る

 14日に開幕した国連防災世界会議(3/14~18 193カ国が参加)の開会式その他の演説で、安倍首相福島原発事故に言及しませんでした。各国の首脳や防災関係者らに「防災先進国」の知見を誇示する一方、深刻な原発事故の教訓の教訓等には触れようとはしませんでした
 原発事故に触れたのは、首脳級会合で「東日本大震災と福島第一原発事故を踏まえ、長期的視点に立ってさらなる防災投資に取り組んでいます」と説明した部分だけですが、これではとても触れたことになりません。
 それなら何故被災地の東北(仙台他)で開いたのでしょうか。
 
 それに対して「脱原発をめざす首長会議」が14日に開いた、同会議のパブリック・フォーラム「原子力防災と自治体の役割」では、桜井勝延南相馬市長馬場有浪江町村上達也前東海村村長らが、国は原発を推進しながら事故対応で前面に立たなかったことや、高齢者らが事故後に避難先で体調を崩して亡くなる「震災関連死」が増えた状況を報告し、いま自治体が策定している避難計画について「重大事故が起きれば元の場所に戻れない片道切符の計画しか作れないのではないか」と問題提起をしました。
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原発防災「対応は困難」 福島の首長ら体験語る
河北新報 2015年3月15日
 原発ゼロを目指す首長らでつくる「脱原発をめざす首長会議」は14日、国連防災世界会議のパブリック・フォーラム「原子力防災と自治体の役割」を仙台市で開いた。東京電力福島第1原発事故で被災した福島県内自治体の首長らが、避難の体験談を交えながら原発防災の困難さを訴えた。
 首長会議の世話人を務める桜井勝延南相馬市長は、同市の大部分が福島第1原発の20~30キロ圏に位置するため、津波による行方不明者の捜索を中断し、住民避難を指示せざるを得なかった経緯を説明。「約6万人が避難を余儀なくされた。国は原発を推進しながら(事故対応で)前面に立たなかった」と憤った。
 福島県浪江町の馬場有町長は、高齢者らが事故後に避難先で体調を崩して亡くなる「震災関連死」が増えた状況を報告。「心のケアを含め最優先で対応しなければならない」と述べた。
 日本原子力発電の東海第2原発が立地する茨城県東海村の村上達也前村長は、原発事故後に全国の関係自治体が策定している避難計画について「(重大事故が起きれば)元の場所に戻れない片道切符の計画しか作れないのではないか」と問題提起した。
 

原発事故時の避難状況について説明する福島県浪江町の馬場町長