朝日新聞社が福島放送と共同で、福島県民を対象に世論調査を行った結果、原発事故に対するこれまでの政府の対応については「評価する」は14%にとどまり、「評価しない」は71%に上りました。
過去4回の調査でも政府の対応を「評価しない」はいずれも7~8割で、事故後4年を経ても県民の厳しい目は変わりません。
国や自治体の除染作業については「評価する」と「評価しない」が49%対48%と拮抗しました。
また放射性物質が家族や自分に与える影響への不安を尋ねたところ、「大いに感じている」は29%、「ある程度感じている」は44%で、「感じている」は計73%に上りました。
「感じていない」は、「あまり」21%、「まったく」の5%を合わせて26%でした。
国民の間で原発事故の被災者への「関心が薄れ、風化しつつある」は71%で、一昨年、昨年と同様、7割を超えました。「そうは思わない」は24%でした。
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政府の原発対応「評価せず」71% 福島県民世論調査
朝日新聞 2015年3月4日
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から4年になるのを前に、朝日新聞社は福島放送と共同で、福島県民を対象に世論調査(電話)を実施した。原発事故に対するこれまでの政府の対応については「評価する」は14%にとどまり、「評価しない」は71%にのぼった。
調査は2月28日と3月1日に行った。事故の半年後、1年後、2年後、3年後にも同様の調査をしている。
過去4回の調査でも政府の対応を問う質問をしたが、「評価しない」はいずれも7~8割だった。事故後4年を経ても、県民は政府に厳しい目を向けていることが分かる。
今回の調査前に、東電が、福島第一原発から汚染水が海に流れ出ていることを知りながら、10カ月間公表しなかったことが明らかになった。こうした東電の対応については「大いに問題がある」は80%で、「ある程度問題がある」は16%だった。「あまり問題はない」は2%、「まったく問題はない」は1%だった。
一方、国や自治体の除染作業については「評価する」と「評価しない」が拮抗(きっこう)した。「評価する」は「大いに」8%、「ある程度」41%で、合わせて49%。「評価しない」は「あまり」36%、「まったく」12%で、計48%だった。昨年と一昨年の調査では「評価する」はともに4割に満たず、「評価しない」が6割を超えていた。
放射性物質「不安」73% 福島県民世論調査
朝日新聞 2015年3月4日
朝日新聞社と福島放送による福島県民世論調査で、放射性物質が家族や自分に与える影響への不安を尋ねたところ、「大いに感じている」は29%、「ある程度感じている」は44%で、「感じている」は計73%にのぼった。「感じていない」は、「あまり」21%、「まったく」の5%を合わせて26%だった。
同一の質問をした過去4回の調査をみると、「感じている」は、事故半年後の91%から年々低下。昨年は7割を切ったが、今年は少し増えた。
国民の間で原発事故の被災者への「関心が薄れ、風化しつつある」は71%で、一昨年、昨年と同様、7割を超えた。「そうは思わない」は24%だった。
福島の復興への道筋が「大いについた」は1%、「ある程度ついた」は27%。道筋が「あまりついていない」は52%で、「まったくついていない」は17%だった。「ついていない」は計69%で、この4年間で減少傾向がみられるものの、依然として「ついた」の28%を大きく上回っている。
福島県全体で、もとのような暮らしができるのは今からどのくらい先になるか、と聞くと、「20年より先」が61%だった。「5年ぐらい」3%、「10年ぐらい」13%、「20年ぐらい」17%で、一昨年の調査時と傾向は変わらなかった。
一方、店で買おうとした食べ物が福島産だったら、「買うのを控える」と答えた人は22%で、「そうは思わない」は74%だった。2月の全国定例調査で同じ質問をしたところ、23%対72%で、福島県と全国で意識にあまり差はなかった。
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〈調査方法〉2月28日と3月1日にコンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、福島県内の有権者を対象に調査した(避難指示区域など一部地域を除く)。世帯用と判明した番号は1818件、有効回答は1028人。回答率は57%。