東電は10日、福島原発で原子炉を冷却した後の処理水を貯蔵するタンクを囲う、堰にたまっていた汚染雨水が漏出したと発表しました。
第一報では、漏出量は400トンで放射性ストロンチウムが1リットル当たり100ベクレル超ということでしたが、夜になって漏出量は750トンで放射性ストロンチウムは最大8300ベクレルに訂正されました。
地中に漏出した分もいずれは地下水流に乗って外洋に流出します。
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福島第一 タンク周囲の堰 汚染雨水400トン漏れる
東京新聞 2015年3月10日
東京電力は十日、福島第一原発で原子炉を冷却した後の処理水を貯蔵するタンクを囲う、堰(せき)にたまっていた汚染雨水が漏出したと発表した。
汚染雨水には、放射性ストロンチウムが一リットル当たり一〇〇ベクレル超が含まれ、推定で約四百トンが周辺の地面に漏出したとみられる。
東電によると、問題が起きたタンク群は、4号機の西側の高台にある「H4」と呼ばれる区域。一昨年八月に高濃度の処理水が漏れたタンクに近い。
今月六日、堰同士をつなぐ配管の一部から、水がにじみ出ていることが確認されていた。この水が外部に漏れないよう、排水溝につながる堰の弁を閉じ、堰内にたまった雨水をバキューム車でくみ出していた。
しかし、その後も雨が続き、十日朝になって、パトロール中の東電社員が、堰内の水位が低下していることに気付いた。
せきの水最大8300ベクレル 福島第1原発汚染水漏れ
東京新聞 2015年3月10日
東京電力福島第1原発の地上タンク群を囲むせきの側溝にたまった汚染水が漏れた問題で東電は10日、せきに残っていた水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大8300ベクレル検出されたと発表した。漏えい量は約750トンで、せき内の側溝の接ぎ目などから地中に漏れていたとみられる。
海に放出できる放射性物質濃度の法定基準は、ベータ線を出すストロンチウム90だけで1リットル当たり30ベクレル。東電は「付近の排水路への流れ込みはなく海への流出はない。大半が地面に浸透したとみられる」としており、せき内の水が高濃度だった原因を調査している。(共同)