人口の97%が東海第二原発の30キロ圏内に住んでいる高萩市と近隣の北茨城市が25日、重大事故時に高萩市の住民5200人を受け入れる協定を結びました。
北茨城市役所で協定を締結した後、大部市長は「市民の安全安心の担保ができた」と喜ぶとともに「市民の安全を脅かしてはいけない」と再稼働に反対を表明しました。
豊田・北茨城市長も「20年以上過ぎた原発の再稼働は危険極まりない。明確に反対」と、ともに再稼働への反対を明言しました。
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東海第二「再稼働あり得ない」 高萩市長 反対姿勢鮮明に
東京新聞 2018年4月26日
東海村の日本原子力発電東海第二原発を巡り、原発から三十キロ圏に入る高萩市の大部勝規市長は二十五日、「再稼働はあり得ない」と述べ、反対する姿勢を鮮明にした。この日、放射能が漏れる深刻な事故に備え、一部市民の避難先になる北茨城市と協定を結んだ。受け入れる北茨城市の豊田稔市長も、反対する姿勢をあらためて示した。(鈴木学)
北茨城市役所で協定を締結した後、大部市長は「市民の安全を脅かしてはいけない」、豊田市長は「二十年以上過ぎた原発の再稼働は危険極まりない。明確に反対」と、ともに再稼働への反対を明言した。
東海第二は再稼働しなくても、核燃料が保管されており、事故の危険性があることから、三十キロ圏自治体には事故に備えた住民の避難計画が必要になる。
高萩市によると、市の人口の96・5%に当たる約二万八千六百人が三十キロ圏に暮らしている。事故が起きた場合には、二万三千百人余が福島県いわき市へ、五千二百人余が北茨城市へ、二百人余が高萩市の三十キロ圏外の地域へ避難する計画案になっている。いわき市とは既に昨年十二月に協定を結んでいる。
今回の協定で、北茨城市は学校や市民体育館など五カ所を避難中継所や避難所として提供。避難の期間は原則一カ月以内とするなどと取り決めている。
大部市長は「市民の安全安心の担保ができた」と喜び、豊田市長は「高萩市民が安心できるよう、十二分に受け入れ態勢を整えたい」と語った。
ただ、北茨城市、いわき市のいずれにもマイカーや、手配されたバスを使っての避難になり、利用する国道6号などの渋滞や、避難先が被災した場合の対応が決まっていないことなど課題は残す。