2018年4月5日木曜日

六ヶ所村再処理工場 規制委の審査再開へ

青森 六ヶ所村の再処理工場 運転の前提となる審査 再開へ
NHK NEWS WEB 2018年4月4日
青森県にある核燃料サイクルの中核施設、使用済み核燃料の再処理工場について運営する日本原燃は4日、安全対策の見直しにめどがたったと、原子力規制委員会に報告しました。これにより、半年間にわたり中断していた本格運転の前提となる審査が近く再開する見通しとなりました。

青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場は去年8月、非常用発電機が入る建屋に雨水が流れ込んでいるのが見つかったあと、長年、必要な点検を怠っていたことが明らかになり、原子力規制委員会は再処理工場の本格運転の前提となる審査を中断しています。
こうした中、4日、日本原燃の工藤健二社長が規制委員会の会合に出席し、安全上重要な施設にある設備をすべて確認し、安全対策の見直しなどにめどがたったと報告しました。

これに対し委員からは「トラブルのたびに改善、改革というがこれまでと何が違うのか」とか「根深い問題なので長期的なビジョンをもって進めるべき」といった意見が出されましたが、審査の再開に異論は出ませんでした。
これにより、半年間にわたり中断していた審査が近く再開する見通しとなりました。
再処理工場をめぐっては今年度上期としていた完成時期が3年後の「2021年度上期」に延期されています。

日本原燃社長「改善活動を継続していく」
原子力規制委員会の会合後、日本原燃の工藤健二社長は報道陣の取材に対し、「これまで誰が見ても初歩的だったりあきれるようなミスがあったが、従来の取り組みとは違う現場本位の意識改革ができた。会合でもいろいろ指摘されたが、しっかり受け止めて改善活動を継続し、加速させ、高めていくことがいちばん大事だ」と述べました。

更田委員長「『いろは』を今頃やっている」
日本原燃から使用済み核燃料の再処理工場で安全対策の見直しなどにめどがたったと報告を受けたことについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は「原子力規制以前の問題で、再処理工場の事業を進めるうえでの『いろは』を今頃やっているところがある」と述べ、本格運転の前提となる審査とは別にチェックしていく意向を示しました。

そのうえで今後、もし、同じようなトラブルが起きたときについては、「当然やっておかなくてはいけないことが欠けていたとか、怠慢によるものとか、原因が深刻な場合、そしてトラブルが繰り返されるようであれば、非常に厳しい事態になるだろう」と指摘しました。