2018年4月4日水曜日

04- 九電、玄海4号機も点検へ 配管蒸気漏れ 川内も検討

 蒸気漏れのあった玄海原発3号機の脱気器周りの配管は、復水循環ラインではなくそこから系外に抜くラインのため炭素鋼管でした。九電は11年前に管厚を調べ、支障なく約47年使えると判断し、そのまま放置していた(朝日新聞)ということですが、炭素鋼管がそんなに持つことは通常はありえない話です。
 同配管は運転時には100℃程度になるので保温筒で囲った上を鋼板でカバーしていましたが、カバーの隙間から雨水が侵入し管を腐食させました。
 九電は同種ラインを全て交換するほか、4号機についても調査するということです。
  また川内原発1、2号機についても行う方向で検討中です。
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九電、玄海4号機も点検へ 配管蒸気漏れ 川内も検討
日経新聞 2018年4月3日
 九州電力の玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)の配管から蒸気が漏れたトラブルで、九電は3日、5月に再稼働を計画する玄海原発4号機の配管も点検することを明らかにした。2015年に再稼働した川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)についても行う方向で検討。方法や時期などは今後詰める。

 九電によると、玄海原発3号機の蒸気漏れは「2次系」と呼ばれ、放射性物質を含まず、発電機を回すための水に含まれるガスを抜くための配管で発生した。原子炉格納容器外側の屋外にあり、点検では配管の表面に直径約1センチの穴が見つかった。配管と保温材を覆う外装板の隙間から雨水が浸入したことで腐食し、穴が開いたとみられる。

 九電は2日、原子力規制庁に対して点検結果などを報告した。同庁はほかの設備で同じような事案が起きないか確認するよう求めており、九電は玄海原発4号機の点検を計画するほか、川内原発1、2号機も実施する方向で検討する。


玄海3号機蒸気漏れ 長期停止の落とし穴 九電、巡視で見逃し「残念」
佐賀新聞 2018年4月3日
 配管は変色し、カバーの外装板も黒くさびていた。九州電力玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)の2次系設備の配管から蒸気が漏れた問題。九電は2日、外装板の継ぎ目から雨水がしみこみ、さびを引き起こしていたと説明した。長期停止で見逃した落とし穴に担当者は「残念」と漏らした。

 「予防の観点で発電所員、本店も含めて取り組んできたが、残念な漏えいの事象が発生した」。長期停止からの慎重な運転再開は、佐賀県などが再三、くぎを刺していた課題だっただけに、会見に臨んだ担当者は苦渋の色をにじませた。今回の問題は、既に再稼働した川内原発(鹿児島県)などでは前例がない。「一度(トラブルが)起こると気をつけるんですが…」と口ごもった。

 穴が開いた配管は屋外にある。運転中なら100度程度になり「雨水が浸入しても熱で蒸発する」(九電)ため、これまで問題化しなかった。2010年12月からの運転停止で、しみこんだ雨水は蒸発することなく、結果的に赤茶色の配管の周りは湿ったままの状態になり、黒く変色した。

 死角になっていた外装板の下部で腐食が進行していたが、複数の巡視でも気づかなかった。九電は今回の問題を受け「巡視の仕方に考えるところはある」と述べ、「(雨水にさらされるような)類似箇所の点検をする」と強調した。