2018年4月27日金曜日

政府、原発政策を「再構築」 太陽光と風力が主力

 政府が改定するエネルギー基本計画の骨子案で、原発国民に根強い不信感があるとして、安全性向上など信頼回復に向けた原子力政策の再構築を提言したということです。
 しかし安全な原発は少なくとも新規制法の範疇ではあり得ないことです。
 
 温室ガス削減の切り札として原発を考えるというのは、致命的なリスクを無視する一方でメリットのみを強調するに等しいものです。そもそも原発が炭酸ガスを出さないのは、発電の過程に限定されるということは電事連が認めていることです。
 地球の温暖化に関して明らかなことは、原発は熱効率の低さから、火力発電に比べて大幅に(最大で2倍近く)海水温度を上昇させることです。。
 
 温室ガスの削減は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーへの依存度を高めることではじめて達成出来るものです。
 
 東京新聞の記事と併せて、参考までに電気新聞の記事も紹介します。
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政府、原発政策を「再構築」 太陽光と風力が主力
 東京新聞 2018年4月26日
 政府が改定するエネルギー基本計画の骨子案が26日分かった。原発は国民に根強い不信感があるとして、安全性向上など信頼回復に向けた原子力政策の再構築を提言した。太陽光や風力といった再生可能エネルギーは主力電源化を進めると明記。再生エネシフトの世界的な動きを背景に推進する姿勢を鮮明にした。
 
 経済産業省が27日に開く有識者会議で骨子案を示し、今夏に計画の閣議決定を目指す。
 日本は2050年に温室効果ガスを8割削減するとの国際公約を示している。これまでの基本計画は30年に向けた指針だったが、50年の長期戦略を反映させた。(共同)
 
 
米ニュージャージー州、原子力の環境価値を認め経済支援へ
州議会が法案可決。成立すればニューヨーク州、イリノイ州に続き3州目
電気新聞 2018年4月26日 
 米国ニュージャージー州議会は、州の発電量の約4割を占める原子力発電を経済的に支援し、再生可能エネルギーの発電量比率を2030年に5割に引き上げる法案群を賛成多数で12日(日本時間13日)可決した。電源の「脱炭素化」が目的。卸電力取引市場の価格下落で苦境に陥っている原子力の環境価値を認め、市場の枠外で対価を与える制度の導入を目指している。同様の制度はニューヨーク州とイリノイ州で導入済み。ニュージャージー州知事が法案に署名して成立すれば、3州目となる。
 
  法案群は原子力と再生可能エネを温室効果ガス大幅削減への両軸に位置付けるもの。同時に、気象で変動する風力発電や太陽光発電の出力安定化に向け、30年までに200万キロワットの蓄電池導入を目指す。
 
  シェールガス革命による天然ガス価格の下落や、可変費が極めて安い再生可能エネの導入拡大で、米国の既設原子力発電所は卸電力市場でのコスト回収が難しくなり、運転期間を満了する前に閉鎖を決めるケースが相次いでいる。ニュージャージー州の大手エネルギー会社PSEGも、2年以内に支援が得られなければ州内の発電所2基の閉鎖を決断する見通しだった。
 
  同州議会が可決した法案には、原子力が持つ環境価値を金銭化する「ゼロエミッション証書(ZEC)」の導入が盛り込まれた。証書の費用は電気料金で回収する。同州は対価が年間3億ドル(約320億円)になり、顧客に同41ドル(約4300円)程度の電気料金が付加されるとの見通しを示している。
 
  ZECの導入判断には、州の原子力発電量比率の高さが影響している。ニューヨークは約3割、イリノイは約5割に達する。卸電力市場の枠外で支援する州の動きは、あくまでも市場改革で課題の解決を狙う一部の地域送電機関(RTO)の動きと対照的だ。イリノイやニュージャージーなどを管轄するRTOのPJMがそれに該当する。
 
  PJMは、現在の卸電力市場の価格決定手法に不備があり、結果的にベースロード電源のコストが市場価格に適切に反映されていないとして、市場の枠外で同電源に与えている補填金を減らす代わりに、コストを的確に反映するための手法改革の議論を進めている。