本年産福島県産米の全袋検査が21日始まり、二本松市の早場米「五百川」計約2220キロは放射性セシウムが全て検出限界値未満となりました。
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原発事故時の避難計画の問題点を考える全国集会が21日開かれ、佐賀県からは「裁判の会」の永野浩二事務局長代行が出席し、玄海原発の避難計画の問題点を指摘し「現実的には無理な内容で、これでは命を守れない」と訴えました。
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佐賀県市長会は19日、玄海原発事故時に30キロ圏外の住民についても避難場所を確保するよう、県地域防災計画の見直しを求めることを決めました。
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全て検出限界値未満 二本松で早場米の全袋検査
福島民友ニュース 2014年8月22日
本年産県産米の全袋検査が21日、二本松市杉田のJA倉庫でスタートした。早場米「五百川」計約2220キロ(30キロ入り74袋)は放射性セシウムが全て検出限界値未満となり、順調な滑り出しに農家ら関係者は胸をなで下ろした。
ベルトコンベヤー式放射線測定器を使い、渡辺年雄さん(57)ら3農家が収穫した米袋が1袋ずつ測定器を通過。放射性セシウムが基準値以下であることを示す丸印がモニター上に表示された。渡辺さんは「今年も検査を無事クリアできひと安心。皆さんにおいしいお米をたくさん食べてほしい」と話した。
検査を通った五百川13袋390キロは同日、同市の樽井商店で農産物検査を受け、すべてのコメが1等級に分類。精白米は5キロ1780円(税込み)、玄米は30キロ6000円(同)で店頭に並んだ。
22日には、福島市のまるいちフードセンター岡部店と二本松市の2店舗でも販売が始まる。
玄海原発避難「命守れぬ」 全国集会で計画を批判
佐賀新聞 2014年08月22日
原発事故時の避難計画の問題点を考える全国集会が21日、東京・永田町の参議院議員会館であった。佐賀県からは「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の永野浩二事務局長代行が、玄海原発の避難計画の問題点を指摘し「現実的には無理な内容で、これでは命を守れない」と訴えた。
永野さんは、佐賀県の避難計画では30キロ圏内に長崎、福岡両県も含め避難対象者が26万人に上り、受け入れ先が過密状態になると指摘した。要介護者を屋内退避としている事例も挙げて「古川知事はこの計画で『ワークするだろう』としているが、数合わせの机上の空論だ」と強く批判した。
集会では、再稼働を前提にした安全審査に事実上合格している九州電力川内原発(鹿児島県)の避難計画を中心に取り上げた。全国各地から市民団体の代表ら約60人が参加し、現状を報告した。
報告後、原子力規制庁、内閣府、経済産業省の担当者を招き、川内原発の避難計画をただした。市民グループ側は「原子力規制委員会はなぜ、原子力防災計画や避難計画を審査しないのか」と問うたが、明確な答えはなかった。
避難先確保30キロ圏外も 防災計画見直し求める
佐賀新聞 2014年08月20日
佐賀県市長会(会長・横尾俊彦多久市長)は19日、多久市役所で会議を開き、玄海原発(東松浦郡玄海町)の事故時に30キロ圏外の住民についても避難場所を確保するよう県地域防災計画の見直しを求めることを決めた。22日、古川康知事に要望する。
福島第1原発の事故で放射性物質が30キロ圏外にも飛散しているため、住民避難対策が必要と判断した。県外を含め、住民の避難先を確保するよう求める。30キロ圏の玄海町、唐津市、伊万里市の3市町からの避難住民を受け入れる各市町自体が、放射性物質の影響で住民避難が必要になる場合も考えられるとして、その対策も促す。
国に対し30キロ圏外の住民避難の具体的な考え方を早急に示すよう、県が働きかけることも要望する。
横尾会長は会議後、「放射性物質の影響は30キロでゼロになるわけではなく、風の向きや強さもあるので、30キロ圏外を含めた避難対策を考えるべき。県外避難も想定して、隣接県と調整をしておいたほうがいいのではないか」と語った。
会議では、佐賀空港へのオスプレイ配備計画について今後、防衛省側から説明を聞く検討をすることも確認した。