福島原発事故の被曝による子どもの甲状腺への影響を調べている福島県の検査で、受診した約30万人のうち104人が甲状腺がんやその疑いと判定されたことがわかりました。
福島県は相変わらず「被曝の影響とは考えにくい」としていますが、100万人当たり約340人という桁外れの発生率になるのに対して不自然な見解です。
チェルノブイリ原発で被曝したウクライナでは、28年後の今も甲状腺がんが多発しているため、超音波検査で甲状腺に5ミリの結節が見つかれば、必ず穿刺細胞診を実施し、悪性なら手術を実施する方針を徹底しています。最近は3~4ミリの結節でもがんのケースがあるということです※。
福島の専門家会議も、放射能の影響を隠蔽するのに腐心するのではなく、ウクライナのそうした先進的な対応を見習って、甲状腺の全摘出手術に至らないような早目の対応を検討すべきです。
※ 2014年8月14日 チェルノブイリ「28年目の甲状腺がん」
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甲状腺がん、疑い含め104人 福島の子供30万人調査
朝日新聞 2014年8月24日
東京電力福島第一原発事故の被曝(ひばく)による子どもの甲状腺への影響を調べている福島県の検査で、受診した約30万人のうち104人が甲状腺がんやその疑いと判定されたことがわかった。県は「被曝の影響とは考えにくい」としている。この結果は24日に公表される。
甲状腺検査は事故当時18歳以下だった県民を対象に実施。県内全域を一巡した今年6月30日現在の結果(暫定値)がまとめられた。
甲状腺がんやその疑いとされた104人のうち、がんと確定したのは57人、良性が1人だった。104人の事故当時の平均年齢は14・8歳で、男性36人、女性68人。腫瘍(しゅよう)の大きさは約5~41ミリで平均14ミリ。