毎日新聞 2014年8月5日
原子力規制委員会は5日、北海道電力泊原発(北海道泊村)の2日間にわたる現地調査を終えた。焦点となっている、原発がある積丹半島西岸の地形の形成について、島崎邦彦委員長代理は「(規制委が指摘している地震による隆起の)可能性を否定するものは見つからなかった。(波の浸食によるとする)事業者(北電)側の説明では不十分だ」との見解を示した。
地震による隆起との指摘を否定できない場合、北電は今年10月までに確定すると想定していた耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の見直しを迫られ、安全審査が長引く可能性がある。
積丹半島西岸には段丘があり、地形に高低差がある。北電はこの地形は潮位が高いときの波による浸食で、高低差があるのは岩石の種類に違いがあるためと説明している。一方、規制委は昔の海底とみられる平らな地形が海岸沿いに複数見られるとして「浸食だけでは説明できず、地震性の隆起があった可能性がある」と指摘している。
地形の形成に地震が関わると、周辺に活断層がある可能性が出てくる。その場合、規制委は活断層を想定して基準地震動の見直しを検討するよう求めている。
北電は「規制委に納得いただけるよう、真摯(しんし)に、かつ迅速に対応したい」とコメントした。【遠藤修平】