2014年8月21日木曜日

[原発]栃木県有識者会議|塩谷町 会は結論ありき|福島 地下水浄化試験開始

 指定廃棄物最終処分場選定問題で、栃木県は20日、独自に設置した県指定廃棄物処分等有識者会議(10人)の初会合を開きました。環境省が詳細調査候補地塩谷町の国有地を選んだことを受け、初会合では、候補地での地下水に関する調査計画や、詳細調査の評価基準の項目などについて委員が環境省側に疑問点をただしました。
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 有識者会議では、塩谷町役場の職員や反対する同盟会幹部ら約30人が傍聴席の大半を埋めました。会議後、町民からは「委員に住民の感情を理解してもらえるだろうか」「安全性がさらに心配になった」など、不安の声が聞かれました。
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 福島原発の汚染水対策として建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水浄化試験を始めました。試験結果は数日で判明する見通しです。
 県漁連の野崎哲会長は「浄化の効果に加え、システムの安定度や運用方法も重要になる。試験結果の説明を受けてから検討したい」と述べました。
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指定廃棄物問題、栃木県独自の「有識者会議」初会合 委員が疑問点ただす
下野新聞 2014年8月21日
 放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場選定問題で、(栃木)県は20日、独自に設置した県指定廃棄物処分等有識者会議(10人)の初会合を県公館で開催した。環境省が処分場の詳細調査候補地として塩谷町上寺島(寺島入)の国有地を選んだことを受け、初会合では、候補地での地下水に関する調査計画や、詳細調査の評価基準の項目などについて委員が環境省側に疑問点をただした。
 
 有識者会議の座長には宇都宮大大学院工学研究科の鈴木昇教授(化学工学・粉体工学)が互選で選ばれた。
 会議は環境省が本県での詳細調査候補地の選定経過について説明し、各委員がそれぞれの立場で質問した。「地下水はさまざまな地層の中を流れる。国は地下水の流れを調査する計画があるのか」や「候補地までは狭い林道を通る。アクセスなどを(今回の選定)評価項目に入れなかった理由は」といった水源や地形などに関連する質問が出された。
 会議後の記者会見で鈴木座長は「一部に資料不足があった」と指摘した上で「丁寧に検証し、この会議としての意見を取りまとめていきたい。現地を視察した上で適切に選定が行われているかを確認したい」との意向を表明した。
 
 
「建設ありきの議論」住民不信 塩谷町で選んだ人を加え代弁を
 東京新聞 2014年8月21日
 有識者会議では、塩谷町役場の職員や最終処分場建設に反対する同盟会幹部ら約30人が傍聴席の大半を埋め、険しい表情でやりとりを聞いた。会議後、町民からは「委員に住民の感情を理解してもらえるだろうか」「安全性がさらに心配になった」など、不安の声が聞かれた。
 同盟会副会長の加藤正美さん(59)は、会議の進行を「建設ありきで議論が進んでいるようだ」と指摘。委員から選定手法への疑問の声が寄せられたのに、環境省が「市町村長会議で決まった」との趣旨の説明を繰り返したため、塩谷町が適地かどうかの検証が公正に行われるか不安になったという。
 県が人選したメンバーで構成された有識者会議について、同盟会事務局長の青木裕幸さん(65)は、地元の目線から「有識者の半数は、塩谷町が選んだ人物で構成されるべきではないか」と不満げに語った。
 住民の不安が根強い近隣の湧き水への影響をめぐっては、環境省側は会議上で「詳細調査で調べたい」と回答。青木さんは、詳細調査でどこまでの解明が可能なのか、具体的な言葉が示されなかったことに対し、「今回の会議で、建設反対の意志をさらに固くした」と断言。今後、環境省から地元説明会の開催を打診されても、受け入れない意向を示した。
 
 
福島第1 地下水浄化試験に着手
河北新報 2014年8月21日
 福島第1原発の汚染水対策として建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げ、最終的に海に放出する計画で、東京電力は20日、地下水の浄化試験を実施した。
 試験的にくみ上げた約500トンを浄化装置に通した。東電によると、浄化装置はセシウム137の濃度を1万分の1、ストロンチウム90の濃度を1000分の1まで軽減でき、処理能力は1日約1200トン。浄化後、排出基準を満たした地下水を海に放出する方針。
 東電は同日、いわき市で開かれた福島県漁連の県地域漁業復興協議会で、放出計画と浄化試験の開始を説明。試験結果は数日で判明する見通しで、週明けまでに県漁連側に伝える考えを示した。
 東電福島復興本社の新妻常正副代表は協議会後、「試験結果や設備の健全性などをなるべく早く確認し、報告する」と話した。
 県漁連の野崎哲会長は「浄化の効果に加え、システムの安定度や運用方法も重要になる。試験結果の説明を受けてから検討したい」と述べた。