日本学術会議は、13日、原発から出る「核のごみ」の最終処分について、早ければ年内にも国への新たな提言をまとめる方針を確認しました。
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福島原発の汚染水対策として、建屋周辺から地下水をくみ上げて浄化後に海に放出する計画ですが、12日、試験的なくみ上げを開始しました。
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北陸電力は志賀原発についてまだ敷地内に活断層があるかどうか結論がでていないなか、12日、2号機の規制基準適合審査を申請しました。電力9社で北陸電力が最後でした。
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「核のごみ」処分、年内に提言も 学術会議、「暫定保管」報告基に
東京新聞 2014年8月13日
日本学術会議は13日、原発から出る「核のごみ」の最終処分に関する検討委員会を開いた。取り出し可能な場所での「暫定保管」の課題を整理した二つの分科会の報告書案を基に、早ければ年内にも国への新たな提言をまとめる方針を確認した。
最終処分場が決まらない問題で、今田委員長(東工大名誉教授)は国民的議論の喚起を期待。「一般の人が理解できる形」を強調。
報告書案は、新たに生じる高レベル放射性廃棄物への対策を明確にしないままの原発再稼働や新増設は「将来世代への無責任を意味し、容認できない」と指摘。暫定保管の保管施設は電力各社の管内での建設が望ましいとしている。(共同)
地下水試験くみ上げ開始・福島第1原発
河北新報 2014年8月13日
福島第1原発の汚染水対策として建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げ、浄化した上で海に放出する計画で、東京電力は12日、試験的なくみ上げを始めた。
井戸42本のうち14本から約10トンをくみ上げた。19日まで継続的にポンプを稼働し、計500トンをくみ上げる。20日にはセシウムとストロンチウムを除去する浄化設備に地下水を通し、放射性物質の濃度がどの程度まで下がるか確認する。
東電は浄化して排出基準を満たした水を海洋放出する方針。「地元の了解を得られないかぎり放出はしない」としており、浄化試験の結果を踏まえ地元漁協に説明する。
原子炉建屋には1日約350トンの汚染水が流れ込み、大量の汚染水が発生している。東電はサブドレンの稼働で1日200トンの地下水の流入を抑制する効果があると試算している。
サブドレンは事故前からあり、1~4号機の周囲に掘った井戸で地下水位をコントロールしていた。東電は11日に排水設備の設置を原子力規制委員会に申請した。
地下水のくみ上げ開始について、いわき市漁協の矢吹正一組合長は「設備の設置申請について説明は受けたが、くみ上げの話は聞いていない。あまりにも進め方が早い」と反発。「地下水と汚染水は違う。団結して今回の計画には反対していく」との考えを示した。
福島県内の底引き漁業者でつくる県機船底曳網漁業組合連合会も12日までに、風評被害が懸念されるとして海洋放出に反対することを確認した。
活断層結論 出ない中 志賀原発2号機 北陸電 審査申請
東京新聞 2014年8月13日
北陸電力(富山市)は十二日、志賀(しか)原発2号機(石川県志賀町)が原発の新しい規制基準に適合するかどうかの審査を、原子力規制委員会に申請した。同原発で想定している最大の揺れ(基準地震動)を約一・七倍に引き上げた。審査は原発再稼働の前提となる手続きだが、敷地内に活断層があるかどうか、規制委の評価作業は二回の会合が開かれたが結論は出ておらず、本格的な審査には入らない見通し。
申請によると、耐震性能では、周辺にある福浦断層(長さ約二・七キロ)と笹波沖断層帯(同約四十五キロ)が動いた場合の基準地震動を算定。原発から東に約一・四キロ離れた福浦断層を考慮し、基準地震動は余裕を持たせて大きく設定したという。耐震工事は昨年十一月に着工した。津波の対応では、最大規模の津波の高さを従来の五・〇メートルから七・一メートルに引き上げた。北陸電は海抜一一メートルの敷地に四メートルの防潮堤を既に完成させている。
また、重大事故対策として、放射性物質を除去した上で原子炉格納容器から蒸気を逃して圧力を下げるフィルター付きベント(排気)装置を申請に盛り込まなかった。
審査の申請は、原発を持つ全国の大手電力九社で北陸電が最後。