2014年8月30日土曜日

[原発]塩谷町 日光・矢板市に署名要請|塩谷町下流4市町に協力要請|大熊・双葉町中間貯蔵受入へ

 指定廃棄物の最終処分場の詳細調査候補地に塩谷町の国有地を選んだことを受け、同町の見形和久町長と反対同盟会長は28日、日光、矢板両市を相次いで訪れ、候補地選定の白紙撤回を求める署名活動に自治会などを通じた協力を要請しました。
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 塩谷町の見形和久町長は27日、荒川などの下流に当たるさくら、高根沢、市貝、那須烏山の4市町を訪れ、候補地選定の白紙撤回を求める署名活動に、自治会などを通じた協力を要請しました。反対同盟会長らも同行しました。
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 除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、福島県と建設候補地のある大熊、双葉両町は9月1日にも政府に対し、施設の受け入れを伝える方向で調整に入りました
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【指定廃棄物の行方】日光、矢板両市にも協力要請 白紙撤回署名で塩谷町長と同盟会
下野新聞 2014年8月29日 
 環境省が放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場の詳細調査候補地に塩谷町上寺島(寺島入)の国有地を選んだことを受け、同町の見形和久町長と同町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会の和気進会長は28日、日光、矢板両市を相次いで訪れ、候補地選定の白紙撤回を求める署名活動に自治会などを通じた協力を要請した。
 
 日光市の斎藤文夫市長は「この場ですぐには結論が出せない。旧藤原町(の地域)が一番(候補地から)近いので非常に懸念している」と述べた。
 矢板市の遠藤忠市長は「話はお聞きし、区長会長に伝えたい」と答えた。
 遠藤市長は取材に「国は住民の理解がないと処分場を造らないと言っている。(いったん候補地となった)矢板市は風評被害や住民の不安を経験している。『処分場は安全』という国がどう対処するのか問われる」と述べた。
 和気会長らは今後、茂木、大田原、那須塩原3市町も訪問予定。訪問先は計9市町になる予定。
 
 
【指定廃棄物の行方】白紙撤回署名、下流4市町に協力要請 塩谷町長
下野新聞 2014年8月28日
 環境省が放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場の詳細調査候補地に塩谷町上寺島(寺島入)の国有地を選んだことを受け、同町の見形和久町長は27日、同町を源流とする荒川などの下流に当たるさくら、高根沢、市貝、那須烏山の4市町を訪れ、候補地選定の白紙撤回を求める署名活動に、自治会などを通じた協力を要請した。同町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会の申し入れを受けたもので、和気進会長らも同行した。
 
 加藤公博高根沢町長に見形町長は「候補地を適地とする環境省と、住民の思いの溝を埋めるのは難しい」と述べた。
 加藤町長は「環境省は県内全首長が納得する、より丁寧な説明をさらにするべきだ。その上で選定した塩谷町と交渉するべきだ」と指摘した。署名活動への協力要請には「預かる」と、回答を留保した。
 市貝町の入野正明町長は「町として自治会に要請することは難しいが、漁協など関係団体に(要請があったことを)伝える」と回答した。
 
 
中間貯蔵受け入れへ 県と大熊、双葉両町 1日にも政府に表明 
福島民報 2014年8月28日
 東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する政府の中間貯蔵施設をめぐり、県と建設候補地のある大熊、双葉両町は9月1日にも政府に対し、施設の受け入れを伝える方向で調整に入った。県は29日に庁内会議を開き県としての受け入れを決め、同日中に佐藤雄平知事が渡辺利綱大熊町長、伊沢史朗双葉町長と会談し、地元としての合意を求める方針。県などの受け入れ判断を受け、政府は地権者への説明会を開き、用地交渉に入る。
■政府近く地権者交渉
 1日にも行われる政府への中間貯蔵施設受け入れ表明では、県、大熊、双葉両町が政府に対し、除染廃棄物の県外最終処分法制化を確実に実現するなどの条件を付けた上で地権者との交渉を認めるとみられる。政府側は石原伸晃環境相と根本匠復興相(衆院本県2区)が出席する予定。県などの表明を受け、安倍晋三首相が政府としての決意を示すことが想定されている。 
 大熊、双葉両町は27日、前日の両町議会全員協議会に続き、それぞれ行政区長会を開いた。井上信治環境副大臣ら政府側の担当者が中間貯蔵施設交付金の内容などについて説明し施設建設に理解を求めた。出席者からは「受け入れはやむを得ない」などの意見が出た。 
 県と両町は、議員や住民代表の行政区長に対する政府の説明が終わり、一定の理解を得られたと判断。29日の合意に向けた協議に入った。合意後の30日は立地町以外の双葉郡の周辺町村の首長に受け入れ判断を報告する方針。 
 県と両町の受け入れ表明を受け、政府は約2千人に上る地権者を対象とした説明会の開催準備を急ぐ。ただ、自治体としての受け入れ判断とは別に、地権者が用地補償など政府の説明内容に納得するかは不透明だ。 
 この日の行政区長会は大熊町が会津若松市の町役場会津若松出張所、双葉町がいわき市の町いわき事務所でそれぞれ冒頭を除き非公開で開かれた。 
 出席者によると、地権者以外の住民にも説明を求める意見や、補償額の算定方法に関する質問があった。施設建設計画に反対する意見はなかったという。 
 渡辺町長は「いろいろな意見が出たが、(施設受け入れに関して町に)早く方向性を示してほしいという意見が多かった」と語った。伊沢町長は地権者への説明会開催について「県や大熊町と協議していく」と述べた。 
 27日、県庁で開かれた定例記者会見で佐藤知事は施設受け入れに向け、「安全性や住民の生活再建策などを精査し、地元の意見をしっかりと聞いていきたい」と話した。