茨城県東海村の東海第二原発事故時の、原発30キロ圏(UPZ=緊急時防護措置準備区域)14市町村の避難先をまとめた県の案が5日、水戸市内で開かれた市町村長らの会合で示されました。
対象は14市町村の夜間人口約96万人で、日本で最大の避難者数となります。避難先は、県内に約44万人、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉の5県に約52万人です。
今後、対象の市町村は県の計画などに基づき避難計画を作り、県は、年度内の広域避難計画策定を目指します。
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原発事故 96万人避難先案
読売新聞 2014年8月6日
東海第二原発(東海村)の事故を想定した広域避難計画で、原発から30キロ圏(UPZ=緊急時防護措置準備区域)の14市町村の避難先をまとめた県の案が5日、明らかになった。避難対象は全国最多の約96万人で、県内のUPZ外に約44万人、県外に約52万人が避難する。県は今後、避難先となる他県などと調整を進め、年度内にも計画を策定したい考え。
県が同日、水戸市内で開かれた市町村長らの会合で示した。
避難計画策定を巡っては、福島第一原発事故で放射能汚染が広範囲に及んだことを受け、対象の自治体が原発8~10キロ圏から、UPZに拡大された。県は市町村ごとの避難先などを明記した広域避難計画を早期に策定することを目指していたが、対象者が多く、課題が山積して作業が難航していた。県が市町村に示した資料によると、対象は14市町村の夜間人口約96万人。避難先でみると、県内30市町村に約44万人、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉の5県に約52万人。
対象人口の多い水戸市やひたちなか市などは避難先が多くなる一方、ごく一部がUPZに入る大子町は、町内のUPZ外となる場所に避難する。また、避難先が県外となる市町村は、具体的な受け入れ先は決まっていない。
UPZ内にあり、避難先が複数にまたがる自治体の首長は、「地域や地区ごとに避難先が分かれることになるのではないか」とした上で、「受け入れ先の自治体と協定を結ぶなどしていくだろう」と話した。県央地域の首長は、「議会にも相談し、具体的な避難先などについて要望が出れば、県に伝えていく」と述べた。
県は、年度内の広域避難計画策定を目指す。市町村は県の計画などに基づき、避難計画を作っていく。