再稼働に向けた手続きが進む九州電力川内原発の10キロ圏内で、避難に必要なバスの台数は、30~50人乗りで計415台程度なのに対して、すぐに用意できるのは約100台と必要数の4分の1以下であることが分かりました。
運転手が被曝する可能性も懸念されるので、調達可能の100台に対しても、実際に運転できるのかは不明です。
さらに10~30キロ圏での運用との兼ね合いも出てきますが、鹿児島県はそこまで調査する予定はないということです。県とバス協会との協定締結も具体化していません。
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原発事故で避難、バスがない? 川内は必要数の4分の1
朝日新聞 2014年8月31日
原発で重大事故が起きた際、住民の避難に使われる民間のバスが大幅に足りない恐れがある。再稼働に向けた手続きが進む九州電力川内原発(鹿児島県)の10キロ圏内ですぐに用意できるのは必要数の約4分の1。県とバス協会との協定締結も具体化していない。運転手が被曝(ひばく)する可能性も懸念されている。
■運転手の被曝も懸念
川内原発の30キロ圏内の自治体の避難計画では、自家用車がない住民や要援護者は、主にバスで避難する。重大事故が起これば県が県バス協会と結んだ協定に基づいて、派遣を要請する。
県が原発が立地する薩摩川内市と隣のいちき串木野市に、10キロ圏内の住民の避難に必要なバスの台数を尋ねたところ、30~50人乗りで計415台程度だった。両市とも市所有のバスは数台しかない。
県バス協会加盟の約80社のバスは計約2200台(昨年末時点)だが、多くは日常的に運行する路線バスで避難に使いにくい。貸し切りバスは約800台あるが、原発周辺で用意できるのは約100台という。10~30キロ圏内のほかの7市町で調べれば、必要台数はさらに増える。だが、県はその予定はないという。担当者は「5~30キロ圏の住民はまず屋内退避するため、全住民が一斉に避難する事態は考えづらい」と理由を説明する。