指定廃棄物の最終処分場問題を巡り、栃木県の候補地に選ばれた塩谷町の見形和久町長は25日、環境省が希望する住民説明会について「説明会を開いたり、場所を貸すのは難しい」と伝え、協力を拒否する考えを明らかにしました。
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除染の廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、福島県は施設の建設を受け入れる方針を固めており、佐藤知事が、候補地の大熊町と双葉町の両町長と25日夕にも会談します。
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福島原発の建屋周辺からくみ上げた地下水を浄化して海に流す計画について、東電は25日、福島県漁連の組合長会議で説明しましたが、出席者からは「絶対反対」「地下水ではなく汚染水なのでは」などと厳しい意見が相次ぎました。県漁連会長は説明終了後、「(浄化すれば汚染水も海に流せるという)なし崩しの不安感もある」として、組合員の意見を集約した上で最終的に計画の是非を判断すると述べました。
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福島原発事故:最終処分場候補の塩谷町長、国への協力拒否
毎日新聞 2014年08月25日
東京電力福島第1原発事故で生じた放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場問題を巡り、栃木県の候補地に選ばれた塩谷町の見形和久町長は25日、環境省が開催を希望する住民説明会について、協力を拒否する考えを明らかにした。同日、建設候補地の国有林を視察した井上信治副環境相に「説明会を開いたり、場所を貸すのは難しい」と伝えた。
井上副環境相はこの日、候補地近くにある名水百選(環境省選定)の「尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)」も訪問し、見形町長との会談に臨んだ。選定プロセスの説明を受けた見形町長は「なぜ環境省が名水百選に選んだところに処分場ができるのか、理解できない」などと述べ、国に協力しない考えを表明した。
見形町長は会談後に記者会見し「住民説明会を開いて2〜3人しか来なくても、『合意を得た』ということになりかねない。これまでも了承したつもりはないし、この状況で説明会を開くということにはならない」と説明した。【長田舞子、柴田光二】
中間貯蔵、受け入れへ地元協議 知事と2町長が25日夕方
東京新聞 2014年8月25日
東京電力福島第1原発事故で出た除染の廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、福島県の佐藤雄平知事が、候補地とされている大熊町の渡辺利綱町長、双葉町の伊沢史朗町長と、25日夕にも会談する。
佐藤知事は、施設の建設を受け入れる方針を固めており、政府が示した総額3010億円の交付金の配分や、国有化となる土地の買収価格などについて、2町長と協議する見通し。
大熊町と双葉町は、26日に町議会の全員協議会、27日には行政区長会議をそれぞれ開く予定で、両町長は議会や住民の意見を踏まえ判断する。(共同)
東電説明に厳しい意見=地下水放出計画で漁業者-福島第1
時事通信 2014年8月25日
東京電力福島第1原発の建屋周辺からくみ上げた地下水を浄化して海に流す計画について、東電は25日、福島市で開かれた福島県漁連の組合長会議で説明した。出席者からは「絶対反対」「地下水ではなく汚染水なのでは」などと厳しい意見が相次いだ。
東電は、放射性セシウムなどを検出できなくなるまで除去した浄化設備の試験結果を示すなどして、漁業者に計画への理解を求めた。
県漁連の野崎哲会長は説明終了後、記者団に「(浄化すれば汚染水も海に流せるという)なし崩しの不安感もある」と述べた。組合員の意見を集約した上で、最終的に計画の是非を判断する方針だ。