2018年5月17日木曜日

17- 東電が新電力に卸売り 小売りで価格競争拡大も

 電力小売りは16年4月に全面自由化され、新規参入が相次いでいます。当然、東電などの大手の電力会社はそれなりの影響を受けています。
 ただ、発電所を持たずに大手電力や市場から買った電力を消費者に売っている新電力も多く、安定した電力調達はそれらの新電力にとって課題となっています。
 東電FPの参入で供給者が増えれば価格競争が進む可能性もあり、経営にプラスとなります
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東電が新電力に卸売り 小売りで価格競争拡大も  
日経新聞 2018年5月16日
 東京電力ホールディングス(HD)は傘下の発電事業子会社を通じてグループ外の新電力会社への電力卸売りに乗り出す。全面自由化された小売りでの競合先にも供給し、販売総量を確保する。大手電力が新電力に供給する動きが広がれば、新電力は調達先が増える。競争が促され、料金引き下げにつながりそうだ。
 
 電力大手の発電会社が外販するのは東電が初めて。東電は福島第1原子力発電所事故後の組織再編で3事業部門を分社した。火力発電を担う東京電力フュエル&パワー(FP)はこれまで小売事業会社の東京電力エナジーパートナー(EP)にほぼ全量を供給してきた。今後はガス火力発電所1基分、発電能力全体の数%に相当する数十万キロワット分を外販に充てる。
 
 営業を担当する部署を設け、このほど一部の新電力に供給を始めた。2018年度に100億円規模の売上高を見込む。余剰電力は日本卸電力取引所(JEPX)経由でも販売する。
 
 東電EPは首都圏に2000万件の顧客を持つ日本最大の電力小売会社。自由化を受けて関東以外での営業を強化しているが、お膝元の首都圏市場は他の電力大手や東京ガスなどに侵食されている。低成長や省エネ定着による電力総需要の減少も響き、電力販売量は07年をピークに減少基調だ。東電FPによる外販などでてこ入れする。