かつて、被ばく線量が高かった人に本人の要請で染色体検査をするよう、国に要望書を提出するなどの活動をした北海道がんセンターの西尾正道名誉院長が12日、ひたちなか市で講演し、「事故から7年以上経過したが、患者が出てくるとしたらこれからだ」として、経過を注意深く見る必要があると述べました。
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原発事故から7年 健康は? 「甲状腺がん 経過に注意を」 茨城
東京新聞 2018年5月13日
東京電力福島第一原発事故による健康被害の恐れなどを知ってもらおうと、北海道がんセンターの西尾正道名誉院長が十二日、ひたちなか市内で講演した。市民ら約四十人が訪れ、熱心に聞き入っていた。
西尾名誉院長は、北海道がんセンターなどで放射線治療医として約四十年勤務。原発事故後、被ばく線量が高かった人に、本人の要請で染色体検査をするよう、国に要望書を提出するなど活動。二〇一三年四月に同センターの名誉院長に就任した。
講演では、甲状腺がんの治療法や歴史などに触れた上で、「甲状腺がんの進行は、他のがんに比べてゆっくりだ」と指摘。事故から七年以上経過したが、「患者が出てくるとしたらこれからだ」と訴え、経過を注意深く見る必要があるとした。
講演は、事故後、福島の人々と交流する市民グループ「未来への風いちから」が主催した。(山下葉月)