福島原発事故に伴う応急仮設住宅の無償提供は、残念ながら原則来年3月で打ち切られますが、双葉、大熊、富岡、浪江4町の全域と飯舘、葛尾両村の帰還困難区域ついては、福島県は打ち切り時期の判断を保留しています。
県は、打ち切り時期が未定の上記の約5000世帯について、今年度から次の住まいに関する意向調査を行うということで、11月にも調査を始める予定です。
意向調査では電話や郵送アンケートを利用し、現在暮らす仮設住宅の供与が将来打ち切られた後の住まいを決めているか、などを尋ねます。
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福島第1原発事故
仮設住宅打ち切り未定の6町村 5000世帯も意向調査
県「早期から再建へ支援」
毎日新聞2018年7月28日
避難先自治体など連携 11月にも開始
東京電力福島第1原発事故に伴う応急仮設住宅の無償提供について、県は、打ち切り時期が未定の6町村の約5000世帯について、今年度から次の住まいに関する意向調査を始める。これまでの意向調査は、仮設の打ち切り時期が決まってから始めていたが、避難生活の長期化で生活の課題が個別化・複雑化しており、県は「早い段階から再建に向けた支援につなげたい」としている。6町村や避難先の自治体と連携し、11月にも調査を始める。【尾崎修二】
打ち切り時期が未定なのは、双葉、大熊、富岡、浪江4町の全域と飯舘、葛尾両村の帰還困難区域。県は打ち切り時期の判断を保留している。
意向調査では電話や郵送アンケートを利用し、現在暮らす仮設住宅の供与が将来打ち切られた後の住まいを決めているか、などを尋ねる。仮設退去後の住まいが未定の住民に対して、県内外の自治体や関係機関と連携して支援する。
県は災害救助法に基づき、民間アパートなどの「みなし仮設住宅」も含め、避難者に応急仮設住宅を無償で提供してきた。来年3月末には5市町村の約2400世帯が打ち切られる。昨年11~12月に実施した意向調査では2割が次の住まいが未定で、「生活資金がない・保証人がいない」「住宅や土地が見つからない」などの声が寄せられた。今年6月から2巡目の意向調査を始めており、必要に応じて戸別訪問する。
また、東電からの「家賃賠償」が3月末で打ち切られた世帯を対象に、県が始めた「避難市町村家賃等支援事業」の対象世帯にも、同様の意向調査を実施することを決めた。
応急仮設住宅は原則、県外から県内への住み替えが一度認めれているだけで、二度以上転居した世帯には、東電が賠償する形で家賃を負担していた。しかし、この賠償は今年3月末で終了。仮設入居者と不公平感が生じるため、県はこれまでの賠償額を上限に、原則として全額負担する補助制度を設け、6月に受け付けを始めた。
応急仮設住宅の無償提供期間◇
打ち切り時期 対象地域・対象世帯 避難指示解除時期
2019年3月 南相馬市の小高区など(1435世帯) 16年7月
飯舘村の大半(736世帯) 17年3月
葛尾村の大半(138世帯) 16年6月
川俣町の山木屋地区(78世帯) 17年3月
川内村の一部(2世帯) 16年6月
<計2389世帯>
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未定 浪江町(1849世帯) 17年3月(一部で)
富岡町(1402世帯) 17年4月(大半で)
大熊町(1035世帯)
双葉町(628世帯)
飯舘村の帰還困難区域(36世帯)
葛尾村の帰還困難区域(9世帯)
<計4959世帯>
※世帯数は今年4月1日時点