2018年7月27日金曜日

野党は「原発ゼロで統一を」と小泉元首相 参院選で激変も

 小泉元首相は、来夏の参院選について「野党は1人区には協力して統一候補を出す。そして『原発ゼロ』を争点にすると勝つ可能性がある」と述べました使用済み核燃料の処分場もないのに再稼働すれば核のごみがまた増えるだけ、原発は止めるしかなく、国民がそれを支持する筈だという訳です。
 
 2016年の新潟県知事選では、告示の直前になって立候補を決めた米山隆一氏が、「脱原発」を大々的に訴えたことで圧勝しました。
 それに衝撃を受けた自民党は、2018年の知事選では、文字通り党の総力を挙げて応援に入りました。表面には出なかったものの、自民党議員が新潟県内の地域、各種業界を回り、企業ぐるみでの花角候補応援を強制するなどしました。
 その結果、残念ながら「脱原発を訴えた」池田千賀子氏が惜敗しましたが、それは文字通りの惜敗で、自民党が総力を挙げて応援した花角氏に無名の池田氏があれだけ肉薄できたのは、まさに「脱原発」でまとまったことの威力でした。
 
 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、「野党が原発ゼロを鮮明にして一本化ができれば、小泉元首相はできるかぎりの“応援”をするはずで、そうなれば前回16年の参院選では、32の1人区で野党統一候補が11勝しましたが、小泉さんの応援があれば、保守層も取り込んで、野党で20勝超もあり得ます」と述べています
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「原発ゼロで統一を」小泉元首相“野党応援”で参院選激変も
日刊ゲンダイ 2018年7月26日
 いま頃、安倍自民党は困惑しているはずだ。小泉純一郎元首相(76)が、来年夏の参院選で野党候補を応援する可能性が出てきたからだ。自民党の総理経験者が野党候補を応援したら前代未聞の事態。選挙情勢も激変するはずだ。
 
 2014年の都知事選で細川護熙元首相を全面応援して以来、「選挙には関わらない」と明言している小泉元首相。ところが、24日、朝日新聞のインタビューで、来夏の参院選について「野党は1人区には協力して統一候補を出す。そして『原発ゼロ』を争点にすると勝つ可能性がある」と踏み込んだ
 今月15日の小沢一郎自由党共同代表との“サシ飲み”でも、野党一本化について語っている。
 しかも、原発再稼働を進める安倍首相を強く批判しはじめている。朝日のインタビューで「処分場もないのに再稼働すれば核のごみがまた増える。憤慨している」と怒り心頭だった。
 
 野党4党は、小泉元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)に呼応し、「原発ゼロ基本法案」を国会に提出している。「原発ゼロ」を実現させるために、野党統一候補を当選させようと小泉元首相が動いてもおかしくない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「野党が原発ゼロを鮮明にして一本化ができれば、小泉元首相はできるかぎりの“応援”をするはずです。野党も、選挙の顔になる小泉さんの支援は是が非でもほしいでしょう。小泉さんの存在は、野党が小異を捨ててまとまる求心力にもなるはず。前回16年の参院選では、32ある1人区で野党共闘が実現し、野党統一候補が11勝しました。小泉さんの応援があれば、保守層も取り込んで、野党で20勝超もあり得ます。選挙全体でも与野党接戦になります」
 
 今年6月の新潟県知事選の告示日前日、小泉元首相は脱原発を訴えた野党統一候補とガッチリ握手。実質的な選挙応援だった。野党共闘と小泉人気は、安倍1強に風穴をあける可能性がある。