福島県のNPO法人「ふくしま30年プロジェクト」の佐原真紀理事長は、名古屋市での講演会で、「福島では市民間で放射線に対する意識の分断が進み、話題にすることもできない」、事故の風化に関しては、「行政は忘れるように仕向けている気がする。復興ばかりに向かい、市民の思いが置き去りにされている」と語りました。
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福島第1原発事故 「放射線、話題にできない」
福島の被災者、現状講演 中区/愛知
毎日新聞 2018年7月8日
福島県で放射線に関する知識の普及などを行っているNPO法人「ふくしま30年プロジェクト」の佐原真紀理事長(45)による講演会「福島にくらし 子どもを育てる」が7日、名古屋市中区で開かれた。東日本大震災の被災者支援に取り組む「名古屋YWCA」が主催し、大学生や主婦ら約30人が熱心に聴き入った。
佐原さんは長女(13)の卒園式前日に福島市内で被災した。それ以降、放射線量の自主測定や正しい知識の普及に取り組んでいる。
講演で佐原さんは「市民間で放射線に対する意識の分断が進み、話題にすることもできない」と福島の現状を紹介した。さらに、原発事故の風化に危機感を募らせているとして「忘れるように仕向けられている気がする。復興ばかりに向かい、市民の思いが置き去りにされている」と指摘した。【斎川瞳】