原発事故の風化防ごう 福島で「忘れない・全国シンポ」
被災者ら地域の実情を報告
河北新報 2018年7月16日
東京電力福島第1原発事故の風化を防ごうと、被災地の住民や集団訴訟の原告らが地域の実情などを語る「福島を忘れない・全国シンポジウム」が15日、福島市であった。
東京都の実行委が主催し、6度目の開催。県内外から約130人が参加した。福島県飯舘村の無職伊藤延由さん(74)は、村内の住宅近くに除染廃棄物が残る状況などを説明。「最終処分は県外で行うとする国の説明も信じられない」と不信感を強調した。
空間放射線量の低減などを求める訴訟の原告中島孝さん(62)=相馬市=も登壇。事故に関する国の責任を認める判決が相次いだことを紹介し「多くの人が被害や不安を発信することは責任を逃れる政府の姿勢を改めることにつながる」と訴えた。
千葉県南房総市から参加した無職志村洋子さん(77)は「関東では一部で、既に復興したような印象が持たれている。今も課題が山積している現状がよく分かった」と話した。