福島県浪江町民の約1万5千人が、慰謝料増額を求めて申し立てたADRが打ち切られたことを受け、支援弁護団は14日に福島市で町民説明会を開き、秋にも集団訴訟を起こす方針を表明しました。
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浪江町民、集団提訴へ 原発事故ADR打ち切りで
日経新聞 2018年7月14日
福島県浪江町民の約1万5千人が、東京電力に福島第1原発事故の慰謝料増額を求めて申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)が打ち切られたことを受け、支援弁護団は14日に福島市で町民説明会を開き、秋にも集団訴訟を起こす方針を表明した。
町によると、町民への意向調査では回答があった約4500世帯のうち、約2200世帯が訴訟を検討するとしており、大規模訴訟になる可能性が出てきた。
説明会は約110人が参加。支援弁護団の浜野泰嘉事務局長によると、8月下旬に原告団準備会を発足させることなどを説明した。町民からは「東電の責任を明らかにして」といった声のほか、訴訟長期化への懸念の声も上がったという。
ADRでは1人当たり月10万円の慰謝料を月35万円に増やすよう求めたが、訴訟での請求額や被告に国を加えるかどうかは、準備会で検討する。
町は町民の代理人として2013年5月以降、国の原子力損害賠償紛争解決センターにADRを申し立てた。センターは慰謝料を月5万円増額するなどの和解案を示したが、東電が受け入れず今年4月、手続きを打ち切った。この間に申し立てた町民約850人が亡くなった。〔共同〕