2016年5月10日火曜日

川内村長、6月14日避難指示解除受け入れへ

 福島県川内村の東部に残る避難指示解除準備区域について、政府の原子力災害現地対策本部は8日、住民懇談会を開き、避難指示を614日に解除する考えを伝えました。
 
 出席者たちからは「森林除染が不十分だ」、「集落に局所的に放射線量が高いホットスポットもある」「土壌の汚染状況調べなければ、農作物を作れない」などと放射線の不安の声が上がりましたが、終了後、遠藤雄幸村長は報道陣に「森林除染や仮置き場の早期解消が重要だが、新しい課題は出ていない。先延ばしするだけの材料は見当たらない」と述べ、解除を受け入れる方向で政府と協議する意向を表明しました。
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川内村長、避難指示解除受け入れへ 6月14日・村の避難区域
 福島民友 2016年05月09日
 東京電力福島第1原発事故で川内村の東部に残る避難指示解除準備区域について、政府の原子力災害現地対策本部は8日、村と合同による住民懇談会を同村で開き、避難指示を6月14日に解除する考えを伝えた。終了後、遠藤雄幸村長は報道陣に「森林除染や仮置き場の早期解消が重要だが、新しい課題は出ていない。先延ばしするだけの材料は見当たらない」と述べ、解除を受け入れる方向で政府と協議する意向を表明した。
 
 懇談会には村東部の荻、貝ノ坂両地区から10世帯15人と国、村、県の担当者が出席した。貝ノ坂地区の松本修司さん(56)は生活圏から20メートルより奥の山林の除染が手付かずの現状を挙げ「山に囲まれた集落で、局所的に放射線量が高いホットスポットもある」と指摘した上で「解除ありきだ」と政府の対応を批判した。郡山市に避難する吉田和浩さん(52)も「土壌の汚染状況も調べなければ、農作物を作れない」と訴えた。
 村内の復興公営住宅で暮らす関根マキ子さん(81)は「解除は仕方がない」と理解を示す一方、放射線による健康不安を口にした。
 現地対策本部の後藤収(おさむ)副本部長は「放射線への不安や、仮置き場にある土のうが帰還の障害になっている。林野部についても柔軟に対応し、個別に相談に応じていく」と述べた。環境省は、除染の効果を確認するための事後モニタリングを7月に始める計画を示した。
 避難指示解除準備区域となっている村東部の荻、貝ノ坂両地区の人口は5月1日現在で19世帯51人。両地区の避難指示が解除されれば、村の避難区域は全てなくなる。
 
 
<福島第1>「森林除染不十分」不安消えず
河北新報 2016年5月9日   
 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県川内村の荻・貝ノ坂2地区の避難指示について、政府の原子力災害現地対策本部は8日、住民説明会を村内で開き、6月14日に解除する意向を伝えた。住民から「森林除染が不十分だ」などと反発の声が上がったが、遠藤雄幸村長は国の方針を受け入れる考えを示した。
 説明会には2地区の住民15人が出席。対策本部の後藤収副本部長は空間線量が低下し、商業施設が開業するなどインフラ復旧がある程度進んだことを解除の理由に挙げ、「帰還は強制ではない。要望に応じて除染や土壌調査を行っていく」と理解を求めた
 住民からは森林除染の実施や除染廃棄物の早期搬出を求める声が相次いだ。郡山市に避難する会社経営吉田和浩さん(52)は「解除で終了ではなく、信用できる調査や除染を行ってほしい」と訴えた。
 遠藤村長は説明会終了後、解除時期の延期などは求めない姿勢を改めて示した。
 2地区の避難指示対象は19世帯51人。国の方針通り解除が進めば、村内の避難指示は全て解除されることになる。