これまで2回取り上げましたが、国はいま高レベル放射性廃棄物の最終処分(埋設)場の選定方法について、6月一杯を終了のメドとして各地で説明会を開くことにしてます。
そして処分場建設の「科学的有望地」を、「あくまで大まかな適性をみるもの」として年内に公表するということです。
しかし数万年間安定している地層でなければ埋設などできない筈なのに、そんなに簡単に安直に有望地が見つかるとは思えません。それを政治的に決めてしまうというのは全くナンセンスです
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<核のごみ> 国説明会、有望地公表へ地ならし
河北新報 2016年5月23日
原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を巡り、政府は処分場建設の「科学的有望地」の年内の公表を目指し、各地で市民向けシンポジウムを開いている。東京電力福島第1原発事故後、原子力政策への信頼は失われたままで、「有望地」を公表すれば対象地域からの強い反発が予想される。有識者から「年内の有望地提示は時期尚早」との声も上がる。(東京支社・小沢邦嘉)
「有望地を示しても、ただちに自治体に判断を求めることはない。長い道のりの第一歩であり、冷静に受け止めてほしい」
経済産業省などが東京で9日に開催した市民向け最終処分シンポジウムで、高木陽介経産副大臣は「科学的有望地」の位置付けをこう説明した。同省担当者も「あくまで大まかな適性をみるもの」と強調した。
経産省は6月上旬にかけて、全国9カ所で同様のシンポジウムを開く。東北では12日に秋田市で開催した。有望地の公表前に、最終処分政策への理解を求めるのが狙い。市民向けとは別に自治体向け説明会も都道府県ごとに実施し、東北では18日に青森市でスタートした。
有望地は、日本地図を「適性が低い」「適性がある」「より適性が高い」の3色に塗り分けて示す。活断層や火山の周辺を避け、海上輸送を前提に沿岸から20キロ以内を「より適性が高い」とする要件などが確定。国は今後、人口など社会科学的な要件を決め、公表に踏み切る予定だ。
シンポでは国の担当者が「少なくとも、調査してみる価値がある地域は広く存在する」と述べ、東北を含め全国から幅広く有望地を選ぶ可能性を示唆した。
有望地を公表後、国は説明会などを再び開いた上で、複数の地域に処分場建設に向けた法定調査を申し入れる計画だが、具体的なスケジュールは明らかにしていない。
最終処分政策を議論する経産省の作業部会委員を務める原子力資料情報室(東京)の伴英幸共同代表は「最終処分に目鼻を付けようと、国は急ぎ過ぎている」と指摘。「このまま有望地を示しても対象地域の反発を招くだけ。原発利用に期限を設けないと、処分する核のごみの総量も決まらない。時間をかけて国民的な議論を進めるべきだ」と話す。
[核のごみ] 原発の使用済み核燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを取り出した後、廃液をガラスと混ぜて固化させた廃棄物。国は地下300メートルより深い場所に埋める「地層処分」で数万年にわたって隔離する処分方法を目指す。政府は2015年5月、従来の自治体公募による処分地選定を改め、国主導で選定する新たな基本方針を閣議決定した。