2016年5月31日火曜日

原発事故で工場が操業停止 東電に賠償命令

 農薬製造販売会社「アグロカネショウ」福島原発事故で操業できなくなった損害の賠償を求めた訴訟で、30日、東京地裁は、「東京電力の計算方法は利益を過剰に減らしていて、妥当ではない」として、東京電力の主張を退け1億4500万円余りを支払うよう命じました。
 東電の身勝手な賠償金査定が糾されたのは喜ばしいことですが、費用も時間も掛かる裁判に拠らないと達成されないのは困ったことです。
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原発事故で工場が操業停止 東電に賠償命令
NHK NEWS WEB 2016年5月30日
原発事故で福島県にある主力の工場が操業できなくなったとして、農薬の製造販売会社が賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は、東京電力に対して1億4500万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。
 
東京・港区に本社がある農薬の製造販売会社、「アグロカネショウ」は、福島県大熊町にある主力の工場が福島第一原発の事故で避難区域に指定され操業できなくなり、東京電力に賠償を求めましたが、提示された額が不十分だとして裁判を起こしました。会社側が、他社に委託して出荷を再開するまでの間に失った利益を賠償するよう求めたのに対して、東京電力は賠償の額を争いました。
30日の判決で東京地方裁判所の中吉徹郎裁判長は、「東京電力の計算方法は利益を過剰に減らしていて、妥当ではない」として、東京電力の主張を退け1億4500万円余りを支払うよう命じました。
「アグロカネショウ」の櫛引博敬社長は、「事故の影響は大きく、社員たちの想像を絶するような努力で会社をつなぐことができました。裁判所には感謝しています」と話していました。一方、東京電力は、「判決の内容を確認したうえで真摯(しんし)に対応してまいります」とコメントしています。