2016年5月13日金曜日

甲状腺がん多発原因は、被ばくしかない

 福島県の県民健康管理調査検討委員会は18歳未満の児童の甲状腺がんの発症率が、従来の百倍になっていても、終始一貫して、「被ばくによる多発だとは考えにくい」という見解を示しています。勿論納得できる理由の提示はありません。
 それに対して岡山大学の津田敏秀教授(疫学)は異常な発生率だとしてきました。
 
 ブログ:「原発のない社会をめざして」が、「女性自身」 4月24日を転載しました。
 そのなかで津田教授は以下のように述べています。
 
 ベラルーシで、〈被ばくの影響を受けていない14歳以下の子ども4万7203人を対象に行った甲状腺エコー検査〉の結果、一例も甲状腺がんが見つかっていないことから、やはり被ばくの影響だということが明らかにされました。
 チェルノブイリでも、原発事故後今の日本と同じように10年以上にわたって、甲状腺がんの多発は、『スクリニーング効果だ、過剰診断だ』と論争が続いていました。でも、このデータが、論争に終止符を打ったんです。
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  (女性自身 2016年04月24日)
甲状腺がん多発原因は、被ばくしかない
原発のない社会をめざして 2016年5月11日
福島県で多発している小児甲状腺がん。依然、「被ばくによる多発だとは考えにくい」という見解を示している県の検討委員会だが、疫学者の津田敏秀氏は、「甲状腺がん(おもに乳頭がん)の外的要因は、放射線被ばくであることは、国際的にも認められており、他の原因が説明できない現状において、甲状腺がん多発の原因は、被ばくしかない」と断言する。
 
津田氏が、被ばくの影響を裏付けるデータとして挙げているのが、チェルノブイリ原発事故の影響を受けたベラルーシで、〈被ばくの影響を受けていない14歳以下の子ども4万7203人を対象に行った甲状腺エコー検査〉の結果だ。
被ばくしていない地域の子どもたちには、一例も甲状腺がんが見つかっていません。チェルノブイリでも、原発事故後、今の日本と同じように10年以上にわたって、甲状腺がんの多発は、『スクリニーング効果だ、過剰診断だ』と論争が続いていました。でも、このデータが、論争に終止符を打ったんです。やっぱり被ばくの影響だ、という確証になりました」(津田氏)
 
また、「チェルノブイリで甲状腺がんが増えたのは、原発事故後5年目から。福島は早すぎるので被ばくの影響とは考えにくい」とする検討委員会の意見に対しても、「チェルノブイリでは、爆発的に甲状腺がんが増加したのが事故後5年目以降であって、事故の翌年からはっきりとした甲状腺がんの多発が始まっていました」と反論する。
 
「ぜひ、みなさんには、こうしたデータをしっかりご覧になったうえで検証してほしい」と話す。
また、津田氏は、チェルノブイリ原発事故のあと、小児甲状腺がん以上に、大人の甲状腺がんが増えたことや、その他の疾病も増えたことなどを例にあげ、「今後、どんな疾病が増えていくのか、しっかり症例を把握していく必要がある」と警鐘を鳴らしている。
(女性自身 2016年04月24日より)